ロイロノートで「秋といえば?」連想ゲーム|樋口綾香のGIGAスクールICT活用術①

連載
板書や指導のコツを伝授!樋口綾香の「すてきやん通信」

大阪府公立小学校教諭

樋口綾香

Instagramでは1万人超えのフォロワーに支持され、多くの女性教師のロールモデルにもなっている樋口綾香先生による人気連載! 今回から、ICT活用についてのシリーズが始まります。

執筆/大阪府公立小学校教諭・樋口綾香

国語授業のICT活用①
イラストAC

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タブレットをどう活用していく?

みなさんの学校では、1人1台タブレットは導入されましたか。私が勤める小学校では、11月から全クラスに導入されました。

タブレットはiPadです。協働学習支援アプリの「ロイロノート」や東京書籍の「タブレットドリル」が入っています。

すでに導入された学校、これから導入される学校など、導入のスピードに差はあっても、これからタブレットをどう活用していくかは共通の大きな課題です。

私は、学校や市の研修でタブレットやロイロノートの使い方を先生方に説明したり、全学級の児童にタブレットを使った授業をしたりする役割をしています。

今回から、国語授業におけるICT活用について、実践例を交えてお伝えします。

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光村図書2年下「秋がいっぱい」

どの教科書にも、四季に合わせて季節の言葉を学ぶ単元があります。

光村図書2年下の「秋がいっぱい」という単元で、2年生で初めてタブレットを使った学習を行いました。そのときの活動や児童の様子についてお伝えします。

「なかまをさがせ!」

タブレットを手にした児童は、目をキラキラさせています。このわくわく感や意欲を消失させないようにしながらも、教科の本質を大切にし、見方考え方を働かせて学習を進めたいものです。

本単元の学習ゲームとして、ロイロノートで「なかまをさがせ!」をします。

活動は下の通りです。

連想ゲーム
ロイロノートの授業 低・中学年 1時間目
  1. テキストをタップ。
  2. 白カードをタップ。
  3. 「連想ゲーム」をする。
     お題:秋といえば?
     ひとりぼっちが負け。 
  4. カードに絵を描く。
  5. 提出箱を開く。出す。
  6. 一斉に共有する。

「秋といえば?」という問題に対し、思いつくものを絵と文字で表します。みんなが描きそうなことを書くと、仲間を見つけられるので○、だれも同じものを描かなければ×ということになります。

○か×かが重要なのではなく、「秋」を表す言葉を増やすこと、ゲームを楽しみながらタブレットの操作になれること、カードを分類・整理する情報活用力を育てることが目的です。

タブレットの即時性と双方向性を生かす

絵と言葉を描き終えたら、カードを提出箱に提出させます。

このとき、提出箱がみんなに見える状態だと、どきどきもわくわくもしません。

初めは画面を隠しておき、一斉に画面を共有するとよいでしょう。

クラゲチャート
ロイロノートの授業 低・中学年 1時間目
  1. 提出アイコンをタップ。
  2. 比較をタップ。
  3. 全選択をタップ。
  4. 比較開始をタップ。
  5. 共有アイコンをタップし、「すべて使う」をタップ。
  6. シンキングツールでクラゲチャートをタップ。
  7. 分類・整理し、ひとりぼっちがないか確認。

ロイロノートでは、友達が描いたカードを自分のノートに貼り付けたり、友達とカードを交換したりすることができます。この機能を最初に教えておくと、自然と友達と考えを比べ、同じところや違うところから考えを深める姿を引き出すことができるでしょう。

「比較」に最適な「シンキングツール」

今回は、「秋」という一つの言葉から連想したことが広がる様子を視覚的にも捉えられるように、クラゲチャート(*)を指定しました。低学年の児童にとって、クラゲチャートは大変使いやすいシンキングツールです。

クラゲチャート…クラゲの頭の部分に意見や主張を書き表す。足の先にあるマルの中に理由や根拠を書き出していく。

思考ツール・クラゲチャート
クラゲチャート

「なかまをさがす」というゲームなので、二つ以上同じものを描いたカードを見つけたらクラゲの足のところにカードを入れるように教えました。

発達段階に応じて、「行事」「食べ物」「自然」などの観点を設けて分類整理するよう指示すれば、クラゲチャートだけでなく、YチャートやXチャート、Wチャートの使い方を学ぶこともできます。

繰り返しシンキングツールを使って、使える図を増やすことができれば、児童自身が選択して、ツールを使うこともできるようになるでしょう。

初めは、使い方を教えることが大切ですが、少しずつ児童が自分で考えてタブレットを使えるよう、「こう使うこともできるね」という余白を感じさせながら、学習を進めていけるといいですね。

次回も、ICTを活用した授業をお伝えします。

樋口綾香教諭

樋口 綾香

ひぐち・あやか。Instagramでは、ayaya_tとして、♯折り紙で学級づくり、♯構造的板書、♯国語で学級経営などを発信。著書に、『3年目教師 勝負の国語授業づくり』(明治図書出版)ほか。編著・共著多数。

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