小三・小四「三学期の通知表」評価のポイント

特集
通知表特集:所見の書き方から「出さない」選択まで

コロナ禍の下、学習指導要領をベースにして、「保護者の望む通知表」作成の ポイントについて考えていきます。

執筆/神奈川県公立小学校校長・副島江理子

三学期の評価

1 三学期の通知表の特色

三学期は、1年間の集大成の時期です。三学期の様子に加え、1年間の成長の様子をしっかりと伝えることが一番のポイントとなります。

学習面では、新たな学習内容だけでなく、一年間の学習内容の確認をしたり、まとめやふり返りをしたりする機会が増えます。

日数も短いので、今まで以上に計画的に授業を行い、評価活動を行う必要があります。

このような三学期の特色を踏まえて、通知表では、三学期の内容だけではなく一年間の成長の様子が伝わる工夫をすることが大切になってきます。

また、外国語活動や道徳については、年間を通して身に付けた力として三学期に伝える学校も多いと思います。

三学期の所見のポイント

  • 一年間、継続して取り組むことで身に付いた力について伝える。
  • 年間を通しての成長の様子を踏まえて、現在の姿について伝える。
  • 次の学年でも継続して伸ばしてほしい点、期待する点について伝える。
  • 教科によっては、三学期に新たに学習した内容についての状況を具体的に伝える。

☆日々の子供の様子をよく把握し、具体的な姿を伝えられるようにしましょう!

2 学習面について

一年間をかけて学習を継続してきているので、子供たちには、以前と比べてさまざまな力が付いてきています。一方で、三学期に初めて学習する内容もあります。また、一年間のまとめとしての単元を三学期に学習することもあります。

三学期の学習内容に対して

例えば三年生では、算数「そろばん」の学習、理科の豆電球や磁石を使った実験などを三学期に初めて行う学校がほとんどだと思います。

また、四年生では、理科は本格的な実験が多くなります(今年度は、単元の入れ替えがあった教科もあると思います)。

こうした学習に関しては、新しく身に付けた知識や技能を具体的に伝えることが大切です。

算数の例

  • そろばんによる加法の計算のしかたについて、答えが5や10を超える場合の考え方を理解して、正しく珠の操作をして答えを出すことができました。

一年間のまとめの学習に対して

例えば社会科で、地域について継続して学習してきたことをまとめて「わたしたちのまち発表会」を開いたり、総合的な学習の時間で、自分たちの追究してきたテーマについてなんらかの形でまとめたり発表したりすることがあります。このような学年末としての学習の様子も伝えます。

総合的な学習の時間の例

  • 「防災でつながろう、わたしたちのまち」の学習では、自分が調べたまちの防災施設と中心となって活動している地域の方々へのインタビューを基に、自分の感想やまちの防災に対するアイディアをまとめて、分かりやすくパンフレットに表していました。

年間を通して身に付けた力に対して

例えば書字のていねいさ、漢字の習得、計算力や各教科の技能の向上などは、一年間かけて少しずつ培われていくものです。三学期には、かなり上達した状況が見られます。こうした身に付けた力を伝えていくことも大切です。

また、知識や技能面だけでなく、学習態度や学習習慣、学習のしかたなどについても身に付いたことを具体的に伝え、次の学年につなげていけるようにします。

国語の例

  • 年間を通して、新出漢字の練習に取り組んできました。筆順やとめ、はね、はらいに気を付けて文章の中でも活用しようとしていました。次の学年でもこの調子で進んで活用できるとよいでしょう。

3 特別活動について

特別活動においては、一年間取り組んできた係活動で身に付いた力をふり返ったり、学級のお別れ会をしたりといった学年末としての特徴があります。学校全体としては六年生の卒業に向けての取り組みが中心となるので、こうした活動での子どもの様子をしっかりとつかんでおくことが必要となります。

また、学級会での話合い活動も回を重ねて上手に進められるようになってきます。年間を通して司会や記録を経験しているので、役割についての様子も触れるとより分かりやすく伝わります。

卒業に関する活動の例

  • 「ありがとう六年生の会」では、実行委員となって六年生へのメッセージを動画で伝えるアイディアを出し、感謝の気持ちが伝わる内容を考えていました。

話合い活動の例

  • 学級会では司会を務めました。最初の頃に比べると、進行に慣れて分かりやすく話合いを整理できるようになりました。

4 行動面について

学習面と同様、生活面でも子供の一年間の成長は本当に大きいものです。

子供の成長した姿を具体的に伝えることで、保護者にとっても子供にとっても成長の実感が味わえるようにすることが大切です。

一日の生活をつぶさに見つめる

三学期は学年末で教師も忙しくなりますが、なるべく子供たちと関わる時間を多くとって、一人ひとりがどのような行動をとっているか、友達との関わり方や当番活動への取り組み方に心配な点はないかなどをつかみ、その都度、指導をしておくことは言うまでもありません。

日々の関わりが多ければ、自ずと通知表で伝えたい内容が決まってきます。

成長の様子が伝わる文章表現

「以前に比べるとこんなことができるようになった」や「一年間を通していつもこんなことができていた」といった書き方をすることで、一年間の成長の様子や子供のよさについて伝えることができます。

公共心・公徳心の例

  • まち調べで地域の施設やお店の見学を重ねることで、まちの人たちに迷惑をかけずに、行動しようとする姿勢が育ってきました。

5 資料を有効に使う

今まで述べてきたように、三学期の通知表は、一年間の成長の様子を伝える側面もあります。

そこで、子供のポートフォリオ(ファイルやワークシート、作品類など、学習過程の分かるもの)、ノート、カード、ドリル類などや動画の記録を見直すことも有効です。係活動の記録では、係全体ではなく一人ひとりの成長の様子をつかむようにしましょう。今年度から導入しているキャリア・パスポートについても、教師がしっかりと目を通しておく必要があります

6 次の学年へのつなげ方

今年度の通知表もこれで最後です。大変な今年度だったからこそ、子供も保護者も、「新しい学年でもがんばろう!」と意欲のもてる通知表にしたいものです。

課題の部分に対する具体的な指導の様子

どのような指導をしてきたかを具体的に伝えることは、次年度への改善の視点を子供がもつことにつながります。

担任としての思いや願い

担任として、子供一人ひとりに対する思いや願いがあるはずです。顔を思い浮かべながら、温かい言葉で締めくくることが一番大切です。

子供たちを思い浮かべている教師

イラスト/畠山きょうこ

『教育技術 小三小四』2021年2月号より

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