小6理科「土地のつくりと変化②」指導アイデア

執筆/大阪府公立小学校教諭・岩本哲也
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、大阪府公立小学校校長・細川克寿

単元のねらい

土地やその中に含まれるものに着目して、土地のつくりやでき方を多面的に調べる活動を通して、土地のつくりや変化についての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、より妥当な考えをつくりだす力や、主体的に問題解決しようとする態度を育成します。

小6理科「土地のつくりと変化②」指導アイデア

単元の流れ(四次 総時数 13時間)

※今回は四次を中心に紹介します。

◆一次 土地のつくり(2時間)

崖がどのようなものでできているかについて、虫眼鏡や顕微鏡で礫、砂、火山灰、化石などを観察し、崖が縞模様に見える理由を探る。

◆二次 土地のでき方(4時間)

流れる水の働きや火山の噴火によって、どのようにして地層ができたかを調べる。

◆三次 わたしたちが住む土地のつくり(2時間)

自分たちが住んでいる地域の土地のつくりについて調べる。

◆四次 土地の変化(5時間)

なぜ、地層が傾いていたり、ずれていたりしたのだろうか?

火山の噴火も関係していると思うよ。

地震や火山の噴火で土地が変化するのかな?

地震が関係しているんじゃないかな。

〇地震によって、土地がどのように変化するのだろうか。
【活動アイディア例】

〇火山の噴火によって、土地がどのように変化するのだろうか。

下矢印

地震や火山の噴火によって、どのような災害が起きるのかを考え、話し合います。

単元デザイン(四次)のポイント

地震と火山の噴火に取り組む順については、子供や地域の実態に合わせてどちらから取り組んでもよいでしょう。また、複線型にグループを編成し、後に互いに調べたことを交流するという方法も考えられます。

交流を通して調べたことを共有するといった対話的な学びを展開することで、考えを広げたり、深めたりすることでより妥当な考えをつくりだすようにします。

自然災害との関連を図りながら授業を行う際、観察、実験を行うことはなかなか難しいので、図書資料や映像資料、タブレットPCなどを活用して、学習内容の理解を深めることができるようにしましょう。

資料を基に調べ、過去に起こった大きな地震や火山の活動によって土地が変化したことや、将来にも起こる可能性があることを捉えるようにします。なお、自然災害を扱う際には、それぞれの地域に応じた指導をしましょう。

単元の終わりに期待される振り返り

昔から様々な場所で、こんなに数多くの地震や火山の噴火があったとは思わなかった。地震によって地割れがあったり崖が崩れたり、火山の活動によって土地ができたりするなどが繰り返し行われ、様々な土地の変化があることがわかった。これからも地震や火山の活動はあちこちで起こり、土地の様子も変化し続けていくと思う。

地震や火山の噴火によって、一瞬で広い土地を変化させ、それが繰り返されていることがあるとわかった。土地の変化が災害につながったり、温泉や地熱発電などをもたらしたりすることを知った。いつ起こるかわからない災害に、日頃から備えておこう。自然を理解し、上手に関わっていくことが大切だ。

授業の展開例

イラスト/高橋正輝、横井智美

『教育技術 小五小六』2019年11月号より

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