子供に好かれる「人気者の先生」の秘密とは?【動画】
学校の中で子供たちに人気の先生にはいろいろなタイプがありますが、目立たなくとも子供たちから好かれるタイプの先生もいます。それは一体どんな先生なのでしょう? 佐々木陽子先生が考える「人気者の先生」の本質的な要件についてシェアします。
目次
いろいろなタイプの「人気者の先生」
人気者の先生、学校の中でもよく見かけると思います。
外で子供たちと元気よく遊んでいる先生、授業がわかりやすい先生、ダジャレやギャグが面白い先生⋯と、いろいろな人気者の要素があります。
ですが、今回はそのような「見えるかたち」での人気者の先生ではなく、水面下にある「見えないかたち」での人気者の先生のお話をお伝えしたいと思います。
信頼関係から生まれる水面下の「人気者の先生」
「見えないかたち」での人気者の先生についてお話しするにあたり、私の小学校時代の先生について振り返ります。昭和時代ですので、一斉授業、一方的な授業が当たり前でした。普通に授業を受けていて、とてもわかりやすく説明上手な担任の先生でした。
でも、私が当てられることもなかったですし、何か声をかけられることもありませんでした。
そして時は経ち、自分が小学校の先生になったときには、「よし、1日1回は子供たち全員に声をかけるぞ!」とか、おはようございますの挨拶でハイタッチをする、毎日1人ずつ顔を見て笑顔で語りかける、ということを心がけてやってきました。
そんなある日の休み時間、ある女の子に言われたことがあります。
「先生、私、思うんですけど、先生の授業ってよくわかんないんですけど⋯」
⋯⋯これは私が反省しなければならないことですが(汗)、話は続きます。
「よくわかんなくて、私、算数も苦手。でも、先生が好きだから、学習頑張る!」
これは、私のおごりや自慢ではなく、教師としての在り方、教育の根幹となる部分、すなわち本質を見た気がした瞬間のエピソードです。
このとき、「人と人との信頼関係という土台があるから教育は成り立っていく」という本質を見ました。
先生との信頼関係と子供の学習意欲
新型コロナによる休校中に、信頼関係のある・なしが与える影響を如実に物語ることがありました。
私の息子がオンライン授業を受けました。一方的な授業と、双方向の授業の2つがありました。
一方的な授業では、見始めて2〜3分で「誰、この先生?」という様子になりました。厳選されたプロ中のプロの先生の授業なのですが、知らない先生だし、わからないことも聞けないし、そのまま流れているものを見て、先生との関係性もないので飽きてしまったのです。
ですが、双方向で行われた授業では、前から先生を知っている、友達もいる、だから安心して授業を受けられる。先生との信頼関係があるから何でも質問できるし、何でも言える、というのがよかったようで、積極的に進んで学習をしていました。
このことからも、人と人との信頼関係が土台にあって、それがあるからこそ、子供はどんどん自分の力を発揮していけるんだな、と痛感しました。
「無条件の教育的愛情」で誰でも人気者の先生に!
人と人との信頼という「見えない部分」ですが、子供たち1人ひとりを無条件に受け入れてあげる、認めてあげる⋯すべては教師からの「与える気持ち」によるものです。子供たちは、無条件に教育的愛情を注いであげるだけで、自然と先生のことを好きになります!
ぜひ、皆さんも「見えない部分」でも人気者の先生を目指して頑張ってみてください。
いかがでしたか? 佐々木陽子先生の子供たちへの愛情が伝わってくるお話ですね。人は受け入れてほしいもの、認めてもらいたいもの、という本質からアプローチする「人気者の先生」を、ぜひ、目指してみませんか?
小学校教諭。著書に『クラスがまとまる!小学1年生学級づくりのコツ』(ナツメ社)、『子どもの心をガッチリつかむ!とっておきの教室トーク&学級経営ネタ60』(明治図書出版)ほか。一児の母。