先生のコロナ疲れは重症化する前にケアを!元教師カウンセラーが解説
新型コロナ感染防止のためには、これまで学校で当たり前にやっていたことができません。一つひとつの判断に責任がのしかかる先生たちの心理的負担の重さは、相当なものがあるでしょう。ここでは、教師の経験を持つ心理カウンセラー前田泰章さんに、非常事態におけるストレスとの向き合い方についてお話をうかがいました。
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目次
ストレス発散法を習慣化する
人は「想定外」のことが起きると、誰でもストレスを感じます。
今回の新型コロナウイルス感染症に関連したこの非常事態は、まさに想定外のことです。「ストレスはたまるもの」という前提で、そのストレスとどう付き合っていったらいいかを考えましょう。
ストレスに押しつぶされないように精神のバランスを保つためには、仕事以外の何かに意識を向ける必要があります。
そして、自分にとってのストレスが発散される何らかの行動を、習慣にします。「毎日できること」、「週1回できればOKなこと」などを決めるとよいでしょう。
たとえば、
- 毎日:寝る前のストレッチ
- 週1回:ジョギング
とか、
- 毎日:デスクの整理
- 週1回:家族で鍋パーティー
というように。
頻度は生活スタイルに合わせて決めれば大丈夫です。毎日が難しければ2日に1回でもいいし、週1回が多いようなら隔週でもいいのです。
そしていざ決めたら、スケジュールに記録しておくか、身近な人に公言してしまいましょう。ちょっとした強制力になり、持続できる可能性がアップします。
こういった自分なりの「バランスをとる方法」を決めておくと、気持ちが安定します。
問題をはっきりさせる
私のカウンセリングを受けるクライエント(相談者)に、「今解決したい自分の問題」を書き出してもらうことがあるのですが、案外、すぐに書けない人が多くいます。心の不調を自覚していても、改めて「自分の問題とは何か?」と問われると、すぐに出てこないものなのです。
そこでまずは、心配に思っていることや悩みなどを全て、書き出してみます。
そして、それらは「自分でコントロールできる問題なのか、できない問題なのか」を問います。
例えば、外出自粛要請。これは自分ではどうしようもできない問題です。国会議員にでもならない限りどうしようもできません。けれど、外出を自粛するかどうかという行動を決めるのは、自分の問題です。
人は、自分ではコントロールできない問題をコントロールしようとすると、苦しくなります。自分の問題と他者の問題(自分の力ではどうしようもできない問題なども含む)を線引きしておくことは、心を安定させるコツです。