現役教員2,560人が回答! 「平均11時間勤務」「表向きの残業削減」「“情緒的疲労”を減らして」| 2026年勤務実態アンケート結果
「みんなの教育技術」は2025年に続き、2026年も全国の教育関係者2,672人に勤務実態アンケートを実施しました。今年度は、株式会社電通総研と共同で調査を行いました。回答者のうち2,560人は現役教員であることが確認されており、貴重なデータとなっています。
前回とほぼ変わらない長時間労働の実態に加え、今回新たに設けた設問からは、教員たちが「残業時間そのもの」以上に「情緒的な疲労」の軽減を望んでいる実態も浮かび上がりました。
また、数字の背後には「トイレに行けず膀胱炎を繰り返している」「休ませるつもりがあるのか、どうにかしてほしい」「勤務時間を過少に報告しなければならない」といった、悲痛な訴えが数多く寄せられています。本稿では前回調査1、そして文部科学省が掲げる働き方改革の目標値と照らし合わせながら、その実態を報告します。
本調査の結果が、教員の働き方について多くの方に関心を持っていただく契機になれば幸いです。

【調査概要】2
■調査対象:全国47都道府県の教育関係者
■調査期間:2026年5月23日~7月5日
■調査機関:自社調査。Webメディア「みんなの教育技術」でのアンケート調査
■有効回答数:2,672人(男性:807人、女性:1,713人、その他・無回答:152人)
■回答者の年代:20代:364人、30代:620人、40代:780人、50代:684人、60代以上:180人、その他・無回答:44人
■回答者の校種:小学校:2,223人、中学校:215人、特別支援学校:70人、高等学校:62人、義務教育学校:28人、教育委員会:10人、中等教育学校5人、その他・無回答:59人
【調査結果の要点】
■有効回答2,672人(そのうち2,560人は現役教員)。「出勤〜退勤 平均11時間」「10時間以上勤務79.7%」など、2025年調査とほぼ同水準の長時間労働が継続。文科省が掲げる「月45時間」上限との乖離は依然大きい。
■休憩「ほとんどとれない」64.1%。労基法の目安である45分以上を確保できている教員はわずか1.7%
■持ち帰り残業は週3日以上が49.4%、休日勤務は86.6%と、いずれも“常態化”。
■時間外勤務の要因、86.3%が「そもそも1日の業務量が8時間で終わる設定ではない」と回答
■新設問では「残業時間より情緒的疲労を減らしてほしい」が60.6%。時間による負担軽減に加え“心”のケアを求める声が浮上。
■自由記述には「トイレに行けず膀胱炎を繰り返している」など、一人ひとりの悲痛な声も多数。
目次
出勤してから退勤するまで 平均約11時間。4人に1人が12時間以上

勤務時間についての結果は上のグラフの通り、79.4%の教員が10時間以上の勤務、約4人に1人(24.3%)が12時間を超えて勤務している状況でした。平均値は約11.05時間3となり、2025年調査の平均11.17時間とほぼ横ばいの水準にとどまりました。
ここから、法定労働時間を上回る勤務が常態化している可能性がうかがえます。
「休憩時間がほとんどとれない」人は64.6%超

1日に取得できている休憩時間について、「ほとんどとれない」と回答した人は全体の64.6%にのぼりました。これに「15分未満」を加えると、この設問に答えた回答者の84.1%の人がまともな休憩を取れていない実態がわかります。
特に、1日8時間以上勤務していると回答した教員(2,610人)に絞ると、労働基準法上60分以上の休憩が必要となりますが、実際に60分以上とれていた人はわずか6人(0.2%)でした。
「十分に休憩時間をとれない理由」を自由記述で尋ねたところ、業務の合間を縫って仕事を進めざるを得ないという実態が、具体的な1日の流れとともに数多く寄せられました。
休み時間は宿題やテストの丸付け、算数が苦手な児童のフォロー(補習)をし、お昼は給食の配膳、食事指導かつ安全監視、下膳、昼休みは児童とコミュニケーションや丸付け、午後の授業準備、児童下校後は校務分掌の事務作業、行事計画、会計処理、保護者対応、明日の授業準備等々、休みたくとも休めない。休む暇があれば少しでも仕事を進めざるを得ない。
30代・小学校教諭
子供の昼休みの間30分、下校後15分と休憩の割り振りになっています。しかし、昼休みは、給食の返却、委員会の見守り、宿題のチェック、授業の準備、トラブルの指導、放課後の15分は帰りの会が延びたり、次の日の準備、教室整備で終わります。そして、すぐの会議。休ませるつもりありますかっていう割り振りだと思います。トイレにも行けません。自分の時間も勤務外です。どうにかしてほしいです。
40代・小学校教諭
このように、子どもがいる時間は子供から目が離せないので休憩ができない、隙間時間や放課後も、会議や保護者対応などの突発的な業務に追われて自分でコントロールできる時間がとれない、といった実態があります。
特に目立ったのが、トイレを我慢し続けた結果、体調を崩したという訴えです。「休憩時間」を問う設問と、後述する「つらいと感じる瞬間」を問う設問の両方で、別々の回答者から独立して、膀胱炎など排尿にまつわる体調不良を訴える声が寄せられました。
児童がいる時間は、休める時間は全くない。トイレにも行けず、膀胱炎は一年中。児童の下校後は、数分一休みして、丸つけ、研修、学年会、教材研究、諸々仕事は山ほどあり、休憩はとれない。
50代・小学校教諭
約半数が週3日以上の「持ち帰り残業」

出勤前・退勤後の「持ち帰り残業」が週3日以上あると答えた教員は49.8%(1,321人)で、2025年調査の「50%超」とほぼ同水準です。特に「ほとんど毎日」持ち帰り残業をしていると答えた教員が34.6%(917人)を占めました。
9割弱が休日にも勤務

1ヶ月のうちに休日に仕事をする日があると答えた教員は、86.4%にのぼり、2025年調査の「約9割」に近い水準を維持しています。平日は、突発的な業務量の多さ、家庭の都合や疲れ果てて業務が終わらず、自分が裁量を持ちやすい休日に、教材研究や学級事務、校務分掌の仕事、などを行うという声が多く寄せられました。
誰にも自分のやりたい仕事、やらねばならぬ仕事を邪魔されずスムーズに行えるから休日に出勤して片付ける。平日は学年や学校に関わる仕事。休日に自分のクラスのためにする仕事。
20代・小学校教諭
時間外勤務の要因、9割弱が「そもそも8時間で終わる業務量ではない」

時間外勤務の最多の要因は「1日の業務量がそもそも8時間以内にできる設定ではないため」で86.3%でした。2025年調査(「80%以上」)よりもさらに高い水準となり、慢性的な業務過多が構造的要因であるという認識が、この1年でむしろ強まっている可能性がうかがえます。
さらに、有効回答数2,580人のうち、90%以上が複数の要因を選択しており、解決の難しさがうかがえます。自由記述では、不要な業務の多さ、人手不足の穴埋めが必要、中学校では部活で土日出勤をせざるを得ないという声が寄せられました。
教務主任と担任を兼務。育休の代替教員が見つからない。
40代・小学校教諭
土曜日に部活動が入ると、結局そのまま残って仕事するかという気持ちにもなる。給餌や潅水等、「土日の2日間くらいやらなくても大丈夫」とは言うものの、生き物なので世話しないとと思うと、土日もずっとどこかで出勤する日が続く。
30代・小学校教諭
保護者対応と業務量の多さが「つらい」

「勤務時間の長さ以外で、『つらい』と感じるのはどんな時ですか?」という質問に対する自由記述の回答から、頻出単語や言葉同士の関係を示したテキストマイニング図。頻出回数が多いほど大きな円になり、関係性あるものを線で結んである。
「勤務時間の長さ以外で、『つらい』と感じるのはどんな時ですか?」を自由記述する設問に対し、最も多く挙げられた回答は、2025年調査と同様に「保護者から理不尽なクレームを受けているとき」で22.9%、次いで、「業務量の多さ」が15.7%と続きました。2025年調査でも「保護者からの理不尽なクレーム」が「つらさ」の最大要因(約4割)として挙げられており、傾向は共通していました。
若い先生と保護者対応のことでの打ち合わせが多い。ゆっくりと教材研究に向き合う時間や校務分掌をすすめる時間をとってあげたい。
40代・小学校教諭
業務量が多すぎること。多少の残業では終わるはずがない。その残業をしなければ、いい授業ができない、良い学級経営ができない、よって保護者から信頼されない、担任業務がやりづらくなる。また、校務分掌も終わりません。
50代・小学校主任教諭
自由記述には、数値の集計だけでは見えてこない、一人ひとりの深刻な訴えも多く寄せられました。先述の「休憩」の設問とは別に、この「つらい」瞬間を尋ねた設問でも、独立して次のような体調不良の訴えや休みのとりづらさが記されていました。
トイレに行く時間が取れず、膀胱炎と腎盂腎炎を繰り返している。空き時間がない。
50代・小学校教諭
休みが取りづらい。子供の発熱、自分自身の体調不良等でやむを得ず休む場合、管理職や上司からの圧があり休みを申請しにくい。
30代・小学校主任教諭
また、体調面だけでなく、休暇や雇用の「制度」そのものが十分に整っていないという訴えも目立ちました。休暇の仕組みが学校や自治体ごとにばらばらで実効性を欠いているという声に加え、非常勤講師という立場だからこそ直面する制度の不備を、具体的につづった回答も寄せられました。
休暇時間を含め、そもそも制度がない。きちんとした労働環境と制度を全学校でやるべき。学校ごと、地域ごとだから何も変わらない。
30代・小学校教員
給特法により一般的な残業代が提供されないため、ベテランの教員をはじめ管理職や教育委員会に時間外労働をマネジメントする視点とマインドが不足しており、現状を是認している風潮がある。
30代・小学校教員
つらいわけではないが疑問を感じることとして、時給制の非常勤講師の場合、授業時間分のみしか労働時間としてカウントされず、準備時間はほぼ100%サービス残業となる。授業計画策定も完全に非常勤に丸投げなのですべてゼロからの作業になる。こうした働き方になるなら、時給での雇用は実態に合わず、業務委託の方が適切ではないかと感じる。
50代・小学校非常勤講師
非常勤講師は、校内のLAN等にアクセスできず、校内でPC作業が一切できない。そのため授業で使用するプリント等はすべて自宅で作成・印刷することになるが、そうしたインク代・紙代もすべて自腹。
上記のような現状は、民間企業では考えられない異常な状態だと感じる。教育現場全体に「契約」の意識が希薄だと感じ、驚いている。自分は社会への恩返しのつもりで半分ボランティアと思って勤務しているので細かいことは気にしないが、もし生活を支える本業として働くとしたら、業界全体がブラック過ぎてこの仕事を選べないと思う。
文部科学省の勤務時間目標との乖離
公立学校教員の給与などについて定めた教員給与特措法(給特法)は2025年6月に改正され、これを受けて文部科学省は同年に新たな指針を公示しました。この指針では、まず2029年度(令和11年度)までに
■時間外勤務が月45時間以下の教職員の割合を100%とした上で、教員の時間外勤務を月平均約30時間まで減らす
■年間の総時間外在校等時間を360時間以下とする
を目標に掲げています。しかし、この数値を目標としつつ、具体的な施策が学校現場に依存している結果、目標(数値)と実態に差が出てきている現状が浮き彫りになりました。それを示唆する回答者からの声を一部抜粋します。
仕事が終わってないのに、はやめの退庁を呼びかけられるとき。保護者への連絡などは、学校の電話から管理職の前で行いたい。家で自分のスマホから、保護者に連絡するときは気が滅入ってしまう。
40代・中学校教諭
働き方改革が進み、管理職が先に帰り一般教員が残って対応や準備をする状況がしんどい。
30代・小学校教諭
とにかく業務量が多く、とても終えられる量ではないということ。しかしながら、校長が、月の残業時間を平均30時間100%に設定しているうえ、管理職からは、残業時間を減らすよう遠回しに言われる。また、県教委からは、働き方改革が進み、教員の残業時間削減に効果が出ているのは喜ばしいという謎の称賛が時折耳に届く。つまり、仕事を持って帰ってカウントできない残業を行え、または、タイムカードを改ざんして残業時間を減らせという指示であると受け取っている。
50代・小学校教諭
「子どもの成長」「子どもの笑顔」が教員をつなぎとめている

「『これがあるから教員はやめられない!』と、思うような強い喜びを感じるのはどんな時ですか?」という質問に対する自由記述の回答から、頻出単語や言葉同士の関係を示したテキストマイニング図。頻出回数が多いほど大きな円になり、関係性あるものを線で結んである。
一方「『これがあるから教員はやめられない!』と、思うような強い喜びを感じるのはどんな時ですか?」という問いでは、「子どもの成長やできた瞬間」や「子どもの笑顔や楽しそうな姿」など、68.1%が子ども関連のポジティブな出来事に喜びを見いだしていると回答しました(回答2,203件)。
2025年調査で最大の回答だった「子どもの成長」(約7割が言及)とほぼ同じで、子どもの笑顔や、授業の手応えという教員本来の仕事が教員の望みであることが伝わってきます。
子どもが笑顔でできるようになったことをよろこんでいるとき。
40代・小学校教諭
先生の授業が楽しいと言ってくれたり、わかるようになった!、初めてできた!、おもしろい!など、子どもたちのできた!や感動に日々接することができる点。 子どもたちの1年や、担任した子たちの数年後、卒業の姿などを見ることができる点。 時間をかけて準備した授業に、子どもたちが楽しそうに食いついて学びを深められているとき。 挙げたら際限ないほど、魅力はたくさんある。
30代・小学校教諭
同僚と授業や児童の指導について検討し、学校や子どもたちのために取り組むなど、チームで尊重し合いながら働いているとき。
40代・小学校教諭
新設問で見えた、“時間”より“心”を――情緒的疲労をめぐる本音


今回の調査では、これまでの「時間」の実態に加えて、教員の“情緒的な疲労”に着目した設問を新設しました。結果は、教員たちが置かれている状況をより立体的に映し出すものとなりました。
特に注目したいのは、「残業時間を減らすより、情緒的疲労を減らしてほしい」と考える教員が60.6%にのぼった一方で、将来のデジタルツール開発に期待する方向性を尋ねると、65.3%が「情緒的疲労の軽減」よりも「生産性の向上」を選んだという、一見矛盾するような結果です。
これは、日々の“心”のケアを切実に求めながらも、それをかなえる具体的な手段としては、まず業務そのものを減らす・効率化することへの期待の方が現実的だと感じている、という複雑な心理を映しているとも解釈できます。
なお、属性別に見ると、大規模校の勤務者の方が小規模校の勤務者よりも情緒的疲労の軽減を望む傾向がやや見られました。また年代別では、40歳未満の教員の方が40歳以上の教員よりも、外部の伴走支援や感情的なやり取りの多い場面でデジタルを好む傾向、そして勤務校以外への相談が情緒的疲労の軽減につながると感じる傾向が、それぞれありました。
自主的に学ぶ教師はメンタルダウンに陥りにくい可能性

今回の調査では、「研修以外にも自主的に学んでいる」と回答した教員のうち、「俯瞰的に物事を見られている」と答えた割合は80.4%にのぼりました。自主的な学びをしていないと回答した教員(52.6%)と比べて約28ポイントの差があり、学び続ける姿勢と物事を客観視する力との関連がうかがえます。

①は今回の調査結果より示唆されたこと
②、③に関しては以下の先行研究より引用
・Kross, E., Gard, D., Deldin, P., Clifton, J., & Ayduk, O. (2012). “Asking why” from a distance: Its cognitive and emotional consequences for people with major depressive disorder. Journal of Abnormal Psychology, 121(3), 559–569.
・John P Powers, Kevin S LaBar(2018)” Regulating Emotion Through Distancing: A Taxonomy, Neurocognitive Model, and Supporting Meta-Analysis”
心理学の分野では、こうした「物事を一歩引いてみる視点(セルフディスタンシング)」を持つ人は、ネガティブな感情にとらわれにくいことが指摘されています(Kross et al., 2012;Powers & LaBar, 2018)。今回の調査結果とこれらの知見を重ねると、自ら学び続ける姿勢が、間接的にメンタルヘルスの維持にもつながっている可能性があります。
以上より、教師のメンタルダウン防止には、教師が自主的に学ぶ環境を整備することが有効であることが示唆されます。
まとめ 制度の目標と、現場の「心」のケアを両輪で
2025年から2026年にかけての1年間で、勤務時間・休憩・持ち帰り残業・休日勤務といった基本的な指標に大きな改善は見られませんでした。給特法改正に基づき文部科学省が掲げる「2029年度までに時間外勤務を月平均約30時間まで減らす」という目標に対し、公的統計でも今回の独自調査でも、現状はなお大きく乖離したままです。その前段階にあたる「月45時間」の上限ですら、依然として多くの教員にとって手の届かない水準にあります。さらに、表向きの残業削減を目指すことで、残業実態が見えづらくなっていくリスクも見えてきました。
一方で、今回新たに見えてきたのは、教員たちが「残業時間を減らす」こと以上に「情緒的な疲労を減らしてほしい」と願っているという実態です。残業時間を削減する施策だけでは、教員が本当に求めているケアには届かない可能性があります。給特法改正や新指針による量的な目標管理と、安心して働くための情緒的な支援を求める現場の声にどう応えるか。その両輪をどう回していくかが、今後の学校の働き方改革の鍵になるでしょう。
私たちも引き続き、教員のQOL(生活の質)を高めるための施策を様々な角度から考えてゆきたいと思います。
構成・文/みんなの教育技術編集部
調査協力・監修/株式会社電通総研(担当:岡田芳樹研究員)
- 比較対象とした2025年調査の記事はこちらです:「現役教員約5200人が回答!『約9割が隠れ残業』『平均11時間勤務』『約3人に2人が休憩取れず』勤務実態アンケート結果」。両調査は回答者の校種構成(いずれも小学校教員が8割超)がほぼ近く、単純な経年比較を試みましたが、母集団や実施時期の違いにはご留意ください。 ↩︎
- ※本アンケートは回答者の負担軽減のため設問を任意回答としており、設問ごとに有効回答数(分母)が異なります。以上の比率は、各設問の有効回答数を分母として算出しました。 ↩︎
- ※平均値は、「可能ならば、1日あたりのおおよその勤務時間をお書きください」という自由記述設問の回答(n=1,845)のうち、3時間以下・20時間以上の値を外れ値として除外し(n=1,815)、算出した値です。 ↩︎
