気付きを行動に移すとは?【伸びる教師 伸びない教師 第62回】
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豊富な経験によって培った視点で捉えた、伸びる教師と伸びない教師の違いを具体的な場面を通してお届けする人気連載。今回のテーマは、「気付きを行動に移すとは?」です。気付きは、経験を重ねていくうちに⾃然に付いてくるでしょうが、気付いてもその後の行動が重要になってきます。気付きの後の行動についての話をお届けします。
執筆
平塚昭仁(ひらつか・あきひと)
栃木県公立小学校校長。
2008年に体育科教科担任として宇都宮大学教育学部附属小学校に赴任。体育方法研究会会長。運動が苦手な子も体育が好きになる授業づくりに取り組む。2018年度から2年間、同校副校長を務める。2020年度から現職。主著『新任教師のしごと 体育科授業の基礎基本』(小学館)。
目次
気付づかない世代
以前、中堅の教師から相談を受けたことがありました。
この教師は、若⼿の教師に対して授業を参観しアドバイスをしたり放課後さりげなく声をかけ相談に乗ったりするなど、ミドルリーダーとして若⼿育成に熱⼼に取り組んでいました。
「若い先⽣たちを⾒ていて、気付いたことをアドバイスしているのですが、私が⾔わなくても⾃分で気付かせるようにするにはどうしたらよいのでしょうか」
⼈は、年を重ね経験を積むことで視野が広がります。そのため、上の世代が若い⼈の⾏動を⾒ると「気付かない」と感じることが多くあります。こうしたことは、時代が変わるたびに繰り返されてきました。 私たちの若い頃も上の世代から「常識がない」「気付かない」「⾃分のことだけを優先する」など散々な⾔われ⽅をしたものでした。世間はそんな私たちの世代を「新⼈類」と呼んでいました。ちょっとでも変わった⾏動をする若者がいると、新⼈類としてテレビで⾯⽩おかしく取り上げられました。けれども、今、そんな世代が管理職となって若者を育成しています。気付かないと⾔われていた世代が、次の世代に気付きを教えていることになります。
「気付き」はその人の経験による
ある企業は、体育会系出⾝の学⽣、しかも補⽋だった⼈を採⽤したがるのだそうです。
なぜ補⽋なのか。補⽋であれば花形のレギュラーの陰に隠れ、チームのために⾃分が何をしなければいけないかを考えられるし、補⽋でもやめずに続けたという精神⼒があるからだそうです。また、体育会系の部活動では、先輩後輩の序列が厳しい世界ですので、先輩が何か⾔う前に気付いて⾏動しなければいけない場⾯がたくさんあります。そこで、知らず知らずのうちに相⼿の気持ちを察する能⼒が備わっているので、企業に⼊っても「気付く」というキーワードをクリアでき、うまくやっていけるのだそうです。
このように考えると、気付くか気付かないかは、その⼈⾃⾝の経験の差なのだと考えることもできます。

