【相談募集中】孤立している生徒への適切な支援について知りたい

空気を読むことが苦手で孤立してしまっている生徒への支援をどうしたらよいのか知りたいという先生から、「みん教相談室」へ投稿がありました。ここでは、教育アドバイザー・多賀一郎先生からの回答をシェアします。

目次
Q.孤立している生徒への適切な支援が知りたいです
生徒指導に関する質問です。自分が担任をしているクラスの生徒で、孤立している生徒への適切な支援が知りたいです。 少し周りの空気を読むのが苦手で、他の生徒が距離を置き始めてしまっています。その生徒や周りの生徒への声掛けや担任としてできることは何ですか? またその生徒の保護者にはこの状況をどのように伝えればよいですか? (こんにゃくいも・20代男性)
A.子どもを否定しないように、見守っていきましょう
小学校の低中学年ならば、その子の良さを子どもたちに示していくことで、クラスでその子を受け止めるようにしていけます。しかし、思春期の子どもたちには、そのようなやり方は合わないでしょう。うかつなことを言うと、かえって反発を起こしてしまうことがあるかもしれません。周りの生徒たちへの働きかけは、その子たち一人ひとりと先生とがよほど深い信頼関係が結ばれていないとうまくいかないため、リスクが伴います。
それでは、どうしたらよいのかというと、その子と先生との関係を密にしていくことです。ただし、空気が読めないということを意識させて変えるように指導するのは、自己否定につながる可能性があるので、おすすめできません。その子の思いを受け止めることが最優先で、先生といて楽しい、先生と話していると心が軽くなるというような思いを持たせることが重要です。
保護者に対しては、過度に心配しているというような言葉は禁句です。不安にさせてしまうだけですから。親がおうちでその子に対して、
「あなたは空気が読めなくて浮いているみたいだから、気を付けなさい」
と言ったとして、子どもが学校でそれを直していけるでしょうか。無理ですよね。空気が読めないというのは、性格的なことがあるので、直そうとするのは難しいのです。
子どもを否定しないように、ご家庭と学校で見守っていきましょうと話すのがベターなのではないでしょうか。
安心できる環境の中で、その子が自分のよさを伸ばして幸せに生きていける道筋をつくれるよう、サポートをしていきましょう。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。