1分でわかる仕事術|教師が持つべき3つの視点と2つのアプリ
働き方改革は「自分でできる」ことから進めていくのが一番の近道。一日15時間労働+土日も仕事をしていたと言う先生が、いかにして多忙の日々から脱出したのか? そこには3つの視点と2つのアプリがありました。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・松下崇
目次
仕事の全体像を具体的に捉える
教師に採用された頃、朝、7時過ぎに出勤し、22時過ぎまで働く毎日でした。それでも仕事が終わらず、土日も必ずどちらか1日、繁忙期は両日とも仕事をしていました。周りの同僚はというと、もちろん残業はしていましたが、そこまでではありませんでした。
当時、「自分の頑張りが足りないからいけないのだ。もっと頑張らないと!」と思っていました。「私の能力がなかったから」と言ってしまえばその通りなのですが、当時の私には決定的に欠けていた視点があります。
それは仕事全体を俯瞰する視点です。
例えば、「通知表の所見を書く」という仕事で考えてみると…

30人学級の場合、所見を書く時間はどのくらいかかりますか?その時の体調、用意してある資料、参考にする書籍、書く時間帯や環境によってもかかる時間は大きく変わってきます。採用時の私は、諸々の仕事が終わると、所見の下書きをしようとパソコンの前に座りました。
一人目を書こうとした時、その子のことで実際どうだったか確認したいことができ、「明日、その子どもに聞いてみよう」とパソコンの電源を落とします。
次の日、確認したことを基に所見の下書きをしようとしますが、その日の指導に疲れ果てていて、うまく文章が書けません。「これは、休日に仕上げた方がいい」と考え直し、休日出勤していました。自分の持つ時間をすべて費し、非効率的に仕事を処理していたと言えます。
「これでは長続きしない」と思い、仕事の全体像をつかむために、とりかかる前に以下の視点で仕事の計画を立てるようになりました。
①「いつ」やるとよいか?
②「どこで」やるとよいか?
③「そのために必要な資料や同僚からの意見」は何か?
①「いつ」やるとよいか?
通知表の所見は朝、疲れの溜まっていないうちに取り組んだ方がよい人もいれば、一日過ごして頭がスッキリしている放課後に取り組んだ方がよい人もいるでしょう。
②「どこで」やるとよいか?
仕事をする場所についても、教室や職員室、その他の場所等、一番効率のよい環境を検討します。
③「そのために必要な資料や同僚からの意見」は何か?
仕事に取りかかってから資料を探すのではなく、最初にその仕事をざっと見通して資料を用意したり、参考意見を聞いておいたりするとスムーズに進んでいきます。
①〜③を決める順番は、仕事の内容によって異なります。通知表は基本的に職員室でしか書けませんし、同僚と話をする場合、相手の都合のよい時間は決まってきます。