ネット型の教材は何を選べばいい?<続けるくん> 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #38】

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使える知恵満載! ブラッシュアップ体育授業
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小学校教諭

平川 譲
使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業

ネット型ゲームは、ボールを相手コートに返せるかを競うという明確な競争課題と、必要となる技能がボールをはじいて返すというわかりやすいものであることから、子どもがゲームのイメージをもちやすく、取り組みやすいゲームといえます。それでも、いきなり相手と得点を取り合うゲームを行うと、技能習得の不十分さからゲームが成り立たないといったことが予想されます。
そこで今回から2週に渡って、ネットの向こう側が味方である「続けるくん」と
ネットの向こう側の相手と得点を取り合う「ハンドテニス」を紹介します。この2つの教材で、段階的にネット型に必要な技能を習得して、楽しみながら学習を進めることができます。
今回は「続けるくん」の紹介です。

執筆/群馬県公立小学校教諭・栗原章滉
監修/
筑波大学附属小学校教諭
 体育授業研鑽会代表
 筑波学校体育研究会理事・平川 譲

1 用具・場の設定

上図のような用具と場を準備します。ネットの代わりにカラーコーンとバーを使用すると、準備の時間を短縮できます。「続けるくん」は、ラリーを続けることをめあてとする教材なので、コートを示すラインは必要ありません。1チーム4人でゲームを行うので、32人学級であれば4コート準備します。

2 チーム

チームは普段の学習班(→「ブラッシュアップ体育授業」#2参照)の4人組で行います。もしくは、キャッチボールやドッジボールなど、これまでのボール運動教材でボール操作技能のデータがあれば、これをもとにチームを作成してもよいでしょう。4人組のチームが作れない場合には、3人組のグループを作ります。「続けるくん」では2人がコートに入り、前後半で交代するので、前半組のうち1人が後半も連続で出ることになります。

3 ルール

⑴ 行い方
ゲームは2人対2人で、ゲームに出ていない子はラリーの回数を数える。
前後半(3〜5分ずつ)でメンバーを交代する(3人チームの場合は、1人が連続で出る)。
サーブは両手下投げで相手コートに投げ入れる。
サーブも含め、相手からのボールは自分のコートにワンバウンドさせてから相手コートに返す。
両手の平で下からボールをはじいて相手コートへ返す(子どもの実態に応じて片手にしてもよい)。

⑵ 回数の数え方
ボールを相手コートに返せたら1回、初めはラリーが途切れても回数をたし算していく。
慣れてきたら、ミスをせずに何回連続でラリーができるかに挑戦してもよい。

4 授業の進め方

 1つのコートで見本を見せ、上記の行い方や回数の数え方を確認します。
 各コートで1〜2分練習の時間をとった後、前後半のゲームを行います。
 前後半で何回ラリーが続いたか数えさせます。この時、
・自分のチームの合計回数
・コートの合計回数
・クラスの合計回数
を集計(→「ブラッシュアップ体育授業」#17参照)すると、自分のチームだけでなく相手と協力することや、クラスの最高記録を更新するという団結力やモチベーションにつながります。
 ゲーム終了後、1つコートをずれるなどして相手チームをかえて、2ゲーム目を行います。
 授業の最後に、回数の最高記録をノートに記録します(→「ブラッシュアップ体育授業」#3参照)。

5 「ハンドテニス」につながる基礎技能を高められる

「続けるくん」はラリーを続けることが課題となるため、相手からは比較的打ち返しやすいボールが返ってきます。さらに、ボールを打ち返す機会も多くなるので、ボールの落下地点に入ることやボールをはじいて相手コートに返すことなどの基礎技能を高めるのに適したゲームとなります。
また、相手が打ち返しやすいところはどこかを考えることが、得点を取り合うハンドテニスに進んだ際に、相手が打ち返しにくいところを考える材料にもなります。

子どもたちがゲームを楽しんだり、より効果的に学習を進めたりするためには、基礎技能を高めることが必要になります。「続けるくん」は楽しみながら基礎技能を高めるのに最適の教材です。

次回は、続けるくんの発展教材である「ハンドテニス」を紹介します。

【参考文献】
木下光正(2015)『「できた!」が子どもから聞こえてくる体育授業9つのポイント』学事出版

イラスト/佐藤道子

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執筆
栗原 章滉
群馬県公立小学校 教諭
1996年、群馬県伊勢崎市生まれ。運動が得意な子も苦手な子もみんなが楽しめて、「できるようになった」という成果を実感できる体育授業を目指し、日々研鑽中。


平川譲先生

監修
平川 譲
筑波大学附属小学校 教諭
体育授業研鑽会 代表
筑波学校体育研究会 理事
1966年千葉県南房総市生まれ。楽しく力がつく、簡単・手軽な体育授業を研究。日本中の教師が簡単・手軽で成果が上がる授業を実践して、日本中の子どもが基礎的な運動技能を獲得して運動好きになるように研究を継続中。『体育授業に大切な3つの力』(東洋館出版社)等、著書多数。


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