小2 国語科「ともだちをさがそう」 板書例&全時間の指導アイデア
文部科学省教科調査官の監修のもと、小2国語科「ともだちをさがそう」(光村図書)の各時の板書例、発問、想定される児童の発言、ワークシート例、1人1台端末の活用例等、全時間の授業実践例を紹介します。
監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/京都府京都市総合教育センター指導室指導主事・吉田夏紀
執筆/京都府京都市立下京渉成小学校・人見健司
目次
1. 単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、迷子のお知らせを通して、大事なことを落とさずに集中して聞く力を育てていきます。
迷子のお知らせを聞くときにどんなことに気を付けると迷子の友達を探すことができるかを考えることで、大事なこととは何かを理解したり、大事なことを落とさないようにメモをしながら聞いたりことができるようにしていきます。
2. 単元の評価規準
3. 言語活動とその特徴
本単元では、「大事なことを落とさずに、迷子のお知らせを話したり聞いたりしよう」という言語活動を位置付けます。
遊園地の様子が描かれた絵を見ながら迷子のお知らせをする中で、大事なことは何かを考えて話す力や大事なことを落とさないように聞く力を育てます。
迷子のお知らせを聞くためには、「名前」「年齢」「性別」「服装」「持ち物」などの友達の特徴を落とさないように聞くことが大切です。
そのためには自分が聞きたいことの中心を明確にする必要があります。迷子の友達についてどんな情報を知りたいのかを話し合うことで、「名前」「年齢」「性別」「服装」「帽子」「持ち物」などの聞きたいことの中心を明確にできるようにします。
単元の最後に迷子のお知らせをするときには、「名前」「年齢」「性別」「服装」「持ち物」などを落とさずに話すことが必要です。また、言葉の音の高さにも注意してアクセントによる言葉の意味の違いを確認することも大切です。
4. 指導のアイデア
〈主体的な学び〉「話す・聞く」目的を明らかにする
主体的な学びを生み出す上で大切なのは、子供自身が目的をもって学習に取り組み、各時間の学習が子供にとって必然のあるものになっていることです。
本単元では、自分が絵の中から子供を選んで迷子のお知らせをしたり、迷子のお知らせを聞いて特定の人物を探したりする言語活動を設定します。
楽しい遊園地の場面から多くの情報が見つけられるこの絵の世界に子供たちはすぐに引き込まれ、「こんな人がいる」「ここでこんなことをしている」などと自分が見つけた情報を様々に話し出すでしょう。
けれども、迷子のアナウンスをしたり、アナウンスを聞いて友達を探したりする経験は少ないでしょうから、「どうしたらこの遊園地の中から迷子の友達を探すことができるのか」と問うことで、単元を通して資質・能力育成のために何度も話したり聞いたりする主体的な学びへとつなげます。
〈対話的な学び〉 話し手と聞き手の役割を交代しながら、「大事なこと」を明確にする
本単元では、迷子のお知らせを話したり聞いたりします。
迷子のお知らせを聞き、どんな言葉を聞き取ったから迷子の友達を探すことができたのか、メモを見せ合いながら友達と伝え合ったり、話し手として聞き手がどのようなことを聞き取ったのかメモを見て確かめたりするなど、話し手と聞き手の役割を交代し、対話しながら「大事なこと」が明確になるようにします。
〈深い学び〉 日常生活へとつなげる
本単元で付けたい資質・能力である、話し手が知らせたいことや自分が聞きたいことを落とさないように集中して聞くことや大事だと思ったことをメモすることは、これからの各教科等での学習場面や日常生活の中でも継続して育成したいことです。
「迷子のお知らせで大事なことを落とさずに聞くことができた」という本単元での学びを他教科での学びや日常生活にもつなげていくことが重要です。
今後、友達や先生の話を聞くときにどんなことに気を付けたいのかを考えて単元を振り返り、学んだことを継続して活用できるようにします。
5. 1人1台端末活用の位置付けと指導のポイント
(1)「大事なこと」を共有するために
迷子のお知らせを聞いて、大事だと思ったことは子供によって少しずつ違います。
また、中には、重要な情報を聞き逃している子供もいると思われます。
そこで、大事だと思ったことを書きとめたメモを一人一台端末で写真に撮り、課題提出機能を使って共有します。
そうすることで、どんなことに気を付けて聞いたのか、多くの友達がメモに書いている情報とはどのような内容か、自分の聞き取ったことを振り返ったり友達のメモと比較したりしながら大事なことに気付くことができます。
6. 単元の展開(4時間扱い)
単元名: 大事なことを落とさずに、迷子のお知らせを話したり聞いたりしよう
【主な学習活動】
・第一次(1時)
① 絵を見て話したり、話を聞くときに大事なことを1年生での学習と比べて考えたりして、学習の見通しをもつ。
・第二次(2時、3時)
②③ 迷子のお知らせを聞くときに大事なことを考え、お知らせを聞いてメモをとる。
・第三次(4時)
④ アクセントによる言葉の意味の違いを確認して、迷子のお知らせをしたり、友達のお知らせを聞いて迷子の友達を探したりする。
各時の板書例&全時間の指導アイデア
イラスト/横井智美