「デジタル・ディバイド」とは?【知っておきたい教育用語】

連載
【みんなの教育用語】教育分野の用語をわかりやすく解説!【毎週月曜更新】
関連タグ

情報通信技術(IT)の恩恵を受けることのできる人とできない人の間に生じる経済格差を指す、デジタル・ディバイド。なぜ今注目を集めているのか、その背景を考えていきましょう。

執筆/信州大学教育学部助教・小倉光明

デジタル・ディバイド」とは

デジタル・ディバイドは一般的に「情報格差」と訳されます。現代社会では大量の情報が日々配信されていますが、その取得・活用のためには、情報への「アクセス」と「知識」が必要です。主にこの「アクセス」と「知識」に差が生じることによってデジタル・ディバイドが発生します(外務省:ITに関する国際協力・協調)。このデジタル・ディバイドが生じるところとして、「個人・集団間」、「地域間」、「国際間」の3つが挙げられます(総務省:情報通信白書2011年)。

「地域間」「国際間」は主に「アクセス」に関する整備の差によって引き起こされ、具体的にはインターネット(ブロードバンド)が利用可能かどうかなどに関係します。一方、「個人・集団間」では「アクセス」に加えて「知識」も大きく関わってきます。例えば、年齢や所得、障害の有無等によって、アクセスが困難であったり、知識が不足していたりする場合があります。

外務省は「あらゆる集団の格差を広げてしまう可能性を有しているため、その解消に向けて適切に対処しないと新たな社会・経済問題にも発展しかねない」としていることから、デジタル・ディバイドは見過ごすことのできない大きな課題であると言えます。

GIGAスクール構想による環境整備への期待

GIGAスクール構想により高速通信ネットワーク環境と1人1台端末が整備されました。これにより、学習環境が平等に整備され、「アクセス」に関するデジタル・ディバイドの解消に向けて大きく前進しました。児童生徒は高速通信ネットワークが整備された学校内で、1人1台端末を用いて学習に向かうことが可能です。

この環境整備は自治体に委ねられている部分も多く、学校だけでは対処できないため、情報を活用することへの価値と児童生徒の将来の姿を共有して、学校と自治体が一体となって推進する必要があります。

情報活用能力を基盤とした学習を目指して

学校での環境は整備されたものの、家庭における情報通信技術の使用の程度は異なります。また、頻繁に使用していても適切な情報活用ができているとは限りません。そのため、情報への「アクセス」可能に向けた環境整備だけでなく、「知識」への支援も必要です。禁止や制限ではなく、情報に関する知識をもとに特性を理解し、自分で考えて適切に活用できるようにすることが重要です。さらには、情報活用能力として、情報を多面的・多角的に評価する力や、情報技術の適切な使用、情報を活用して自分の考えや意見を形成する力などの育成が必要です。

このような情報活用能力はプロジェクト学習を進める上でも大きな力を発揮します。「アクセス」と「知識」の差を埋めて、学習の質の向上を図りつつ、社会全体としての格差解消を目指すことが求められます。

▼参考資料
総務省(PDF):「平成23年情報通信白書」 (平成23年)
外務省(ウェブサイト):「IT(情報通信技術)デジタル・ディバイド」 (平成13年9月)

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!
連載
【みんなの教育用語】教育分野の用語をわかりやすく解説!【毎週月曜更新】
関連タグ

教師の学びの記事一覧

雑誌『教育技術』各誌は刊行終了しました