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思い出に残る「卒業文集」の書き方指導の極意

特集
卒業特集ー6担初心者もこれで安心!ー 

2月です。6年生の担任の皆さんは、卒業という大きな門出に向けて、子どもたちとともに学校行事や授業やクラスでの取組の一つ一つを楽しんでいることでしょう。また、この頃から、卒業文集の作成も始まることと思います。
皆さんは、自分が子どもの頃に書いた卒業文集を、大人になってから見返したことはあるでしょうか? 多くの先生方は、読み返したりクラスの子どもたちに自身の卒業文集を見せたりしながら、思い出を語ったことがあると思います。卒業文集は、子どもたちの一生に残る大切なものですから、卒業文集の書き方指導は、6年生の担任にとって重要度の高い仕事であると言えます。
ここでは、卒業文集を書き始める時に、「どのようなことを子どもたちに伝えて指導するのか」テーマ(題材)の決め方」や「文の構成をどのように指導するのか」等について紹介します。

執筆/大阪府公立小学校教諭・川村幸久

卒業文集を書き始めるときに、子どもたちに伝えること

卒業文集は、6年間の学習の集大成です。これまでの小学校生活で培ってきた資質・能力が十二分に発揮できるよう、子どもたちの意識を高めつつ、順序立てて丁寧に進めていく必要があります。しかし、教科のまとめの学習を3月上旬までに終えないといけないということや、2月、3月は、卒業関連の行事も並行して行われることから、卒業文集の作成には、ある程度の効率性も求められます。

準備段階として、子どもたちには、「6年間の学習の集大成であることから、これまで小学校生活で学んできたことのすべてを卒業文集に込めて書きましょう」と伝えます。その際に、6年間の成長が自分自身で実感できるように、例えば1年生の教室を借りて椅子に座ってみて、入学式や1年生のときの写真を見せたり、先生自身の卒業文集を読み聞かせたりして、思い出を語りながら話をするのも効果的です。

卒業文集について説明する先生

テーマ(題材)や概要を決める際の指導について

テーマを決定する

学校によっては、全員が「将来の夢」を書くと決まっている場合もありますが、これまでに私が携わってきた学校では、テーマ自体も子ども自身が考えることが多かったように思います。テーマを決める時には、まず、子どもが書きたいテーマをいくつか挙げることから始めます。

(テーマ例)
将来の夢
運動会での応援団
友達との思い出
今の自分が考えている「友達」について
小学校生活をふり返って

書きたいテーマを焦点化し、箇条書きで書く

例えば、運動会での思い出を書く子がいたとします。よくあるのが『10月8日、運動会があり、開会式のあと、騎馬戦をしました。次に徒競走をして…。』というように、ついつい1日にあったことを順番に書いてしまうケースです。ですが、本当に書いてもらいたいのは、何をしたかの羅列ではなく、その時の詳細な気持ちです。ですから、例えば、運動会のことを書こうと考えている子どもには、「“何について” 一番詳しく書きたいのか?」と問い「応援団で頑張ったこと」というように、まずは書きたいテーマを焦点化させるようにしましょう。

そうしていくつか書きたいテーマが決まったら、最終的にどのテーマを卒業文集として書くのかを子どもたちと個別に話をして、決定するようにします。

卒業文集の作成時の指導について

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