通知表作成でNGなこと/GOODなこと
通知表は、子供にとっても保護者にとっても関心が大きいものです。保護者は「わが子の頑張りや成長」を「担任の所見」から見いだします。通知表を通して、子供や保護者との信頼関係を築くことができます。しかし、子供や保護者が期待していた内容とあまりにかけ離れていたり、課題ばかりが書かれていたりすれば、場合によっては担任への不信感へとつながってしまうかもしれません。すべての子供や保護者が納得できる通知表を作成することは難しいですが、子供たちのよさを見取り、誠意ある通知表を作成しましょう。
執筆/東京都公立小学校教諭・奥山良太
目次
通知表作成のポイント
①学期末に評価のポイントを探すのはNG 日ごろから記録をつけておく!
学期末に慌てないように、子供のよさを見つけたときに記録しておきましょう。
②前学期と似た評価はNG 多様な視点から成長を見取る
1学期の通知表と同じような内容にならないように、多様な教科や授業外での様子や成長を伝えます。専科の先生や委員会・クラブ担当の先生から様子を聞くとよいでしょう。
③コピペは論外! 納得感が得られる具体的な評価が大事
同じ単元の同じ授業の様子について所見を書く場合にも、他の子供とまったく同じ所見にすることがないようにします。コピー・アンド・ペーストで所見を使いまわすことは止めましょう。
所見は、ただ褒めればよいわけではありません。子供自身が努力したと思っていることをしっかりと認めて価値づけることで、子供も保護者も納得する通知表となるでしょう。
課題を伝える場合には、課題のみを書くのではなく、成長点や今後の指導についても書くようにします。
④渡すときの温かい声かけも大事 マイナスの声かけはしない
通知表をどのように渡すかも大事なポイントです。成長や頑張りを褒め、課題については今後の期待として前向きなひと言を添えて渡します。友達や兄弟と比較することがないよう、保護者会で保護者に伝えておくこともできます。
イラスト/高橋正輝
『教育技術 小五小六』2021年12/1月号より