1年生(入門期)の長なわ跳びの授業は、何をしたらいいの?(教材編) 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #12】
前回は、なわの作り方、1グループの人数、なわ回しのポイントについて述べました。今回はいよいよ入門期の教材です。多くの子が、「できそう」「できる」という思いをもって取り組み、授業の中で「できる」ようになる教材を紹介します。
執筆/筑波大学附属小学校教諭
体育授業研鑽会代表
筑波学校体育研究会理事・平川 譲
目次
1.なわに入ったところからスタート、「ゆうびんやさん」
長なわ跳びの歌遊びで、回旋するなわに入る局面、出る局面を省いて、回旋するなわを跳ぶことをねらいとする教材です。以下の順序で行います。
①跳ぶ子は、なわ回しの2人の真ん中で準備します
②「ゆうびんや ・ さーーんの ・ おっとし・ものーー♪ ひろーって・あげましょ♪」で、なわを左右に振動させ、このなわを跳び越します
③「1枚、2枚、3枚……」でなわをゆっくり回旋させ、1回旋2跳躍で跳び越します
④10枚まで跳び続けられれば成功です
2.なわを跳ばない、「とおりぬけ」
回旋するなわに入る部分に焦点化した教材です。なわに入ったら、跳ばずに向こう側に通り抜けます。
①ゆっくり大きくなわを回します
②通り抜ける子は、なわに当たらない範囲で、できるだけ前に出て構えます
③なわが床に当たるタイミングでスタートして、向こう側に走り抜けます
④なわに当たらずに通り抜けられれば成功です
スタートのタイミングがつかめない子には、なわが床に当たる音に合わせて、1回目の音で「ようい」、2回目で「どん!」と声をかけてやったり、スタートのタイミングで背中を押してやったりして、少しずつスタートのタイミングをつかめるように助けます。得意な子や教師が手をつないで、引っ張ってやってもいいでしょう。
みんなが知ってる8の字跳びやダブルダッチ以外にも、豊かなアレンジが楽しめる長なわ跳び。本連載では、様々な長なわ跳びの教材を紹介していきます。子どもたちが長なわ跳びを楽しめるように、まずは「ゆうびんやさん」と「とおりぬけ」を授業で実践してみてください。
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執筆
平川 譲
筑波大学附属小学校 教諭
体育授業研鑽会 代表
筑波学校体育研究会 理事
1966年千葉県南房総市生まれ。楽しく力がつく、簡単・手軽な体育授業を研究。日本中の教師が簡単・手軽で成果が上がる授業を実践して、日本中の子どもが基礎的な運動技能を獲得して運動好きになるように研究を継続中。『体育授業に大切な3つの力』(東洋館出版社)等、著書多数。
イラスト/佐藤道子