学年末や新学期におススメの学級レク②「7と11でいい気分!」|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」
「ダンシング掃除」や「プロジェクト制」など、子供たちの自主性を引き出す斬新でユニークな実践が話題の「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生 。子供たちの仲を深め、クラスが盛り上がる、学年末や新学期におススメの学級あそびを紹介していただきます。
目次
授業の導入にもお薦めの「7と11でいい気分」
前回は、クラス全員が承認欲求を満たせる「目玉焼きリレー」を紹介した。
「目玉焼きリレー」は、学年末や新学期のお楽しみ会にもお薦めのダイナミックな学級遊びだと思う。そこで今回は、授業の導入などにも手軽に取り組める学級レクを紹介しよう。
やり方
①ペアになり、「せーの」と合図をしたら、お互いに両手の指で好きな数をつくって出す。
②お互いに出した指の本数を足して「7」もしくは「11」になったら、「いい気分!」といってハイタッチする。
③ ペアを入れ替えて同様に繰り返す。
ちょっと難しい課題をクリアすることで達成感を味わえる
この「7と11でいい気分」は用意しなくてはいけないものもなく、すぐに取り組めるのが魅力。
取り組む時間や状況によって、以下のようにいろいろなアレンジが可能だ。
【アレンジ案】
・ペアで3回「いい気分!」を言えたらペアを交代。
・時間内に何回「いい気分!」と言えたか競う。
・5回「いい気分!」を達成した人から抜ける。
また、低学年から取り組めるアクティビティであり、楽しみながら足し算の計算のトレーニングにもなる。
しかも、「全部合わせて10にする」のではなく、「7」もしくは「11」にする、というちょっとしたひねりが加わるので新鮮だし、運任せでしかクリアできない課題を達成することで誰とでも達成感を味わえる。
だから、できるだけいろいろな子とペアになって達成感を共有したいもの。「一度ペアになった人はNG」といったルールを設けて、普段あまり関わる機会がない子とも遊べるような工夫をするのもよいだろう。
慣れてきたら、「両手で違う数を出す」ルールを追加
注意点は、実は意外に両手で違う数を出すのは難しく、つい両手で同じ数を出したり、両手をグーにして出してしまったりしがちなこと。
だから少し慣れてきたら、「両手で必ず違う数を出す」というルールを追加してみよう。
また、1年生の場合はまだ足し算になれていないので、本数を数えるのに時間がかかってしまう。もし計算に困っていたら先生が数える作業を助けてあげよう。
ゲームを上手に取り入れ、子供たちの集中力を高める
ゲームのよいところは、うまく活用することで、子供たちの雰囲気を短時間で変えられるところ。
例えば、子供たちがざわざわしていたり、ボーッとしていたりして授業に入りにくい時に、軽くゲームをすると一気に集中力が高まるし、ちょっとした達成感を与えることでやる気アップにもつながる。
「静かにしなさい!」「先生の話を聞きなさい!」と大声を出して叱ってばかりいると、クラスの雰囲気が悪くなるし、先生のストレスも溜まってしまうので、そんなときはこうした簡単なゲームを上手に取り入れてみよう。
ボクの著書『子どもが「話せる」「聞ける」クラスに変わる! 学級あそび 』 (ナツメ社)で もいろいろなレクを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてほしい。
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沼田晶弘(ぬまたあきひろ)●1975年東京都生まれ。国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・インディアナ州立ボールステイト大学大学院にて修士課程を修了。2006年から現職。著書に『板書で分かる世界一のクラスの作り方 ぬまっちの1年生奮闘記 』(中央公論新社)他。 沼田先生のオンラインサロンはこちら>> https://lounge.dmm.com/detail/2955/
取材・構成・文/出浦文絵 イラスト/藤井昌子