みんなで楽しく!学級開き集会のアイデア2つ
「どんな先生かな」「友達と仲よくできるかな」など、4月は新しい環境に期待と不安でいっぱいです。そんな時期だからこそ、みんなで学級開き集会を行ってみましょう。まずは子供たちの不安を取り除き、「このクラスで一年間過ごすのが楽しみだ」と思えるような時間をつくることが大切です。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・西田あすか
目次
中学年の集会活動
低学年での活動経験を大切に
中学年の子供たちは、低学年での集会活動や係活動の経験があります。「二年生ではどんな集会をやったかな」「どんな役割があったかな」と、子供たちに聞いてみましょう。また、集会活動を通して、集団で活動することの楽しさを感じ、友達のよさに気付けるようにすることが大切です。「協力してできた」「またやりたい」と実感できるように、指導を工夫しましょう。そのためにも、集会活動を通して、子供たちがどんな姿になってほし いか、教師がねらいをもつことも大切です。
三年生「一年間どうぞよろしくね集会」
友達との関わりを大切に
新学年が始まり、最初の集会活動です。ある程度教師が主導で進めてもよいのですが、その中で、子供たちの思いや願いが生かされるように準備をしていくようにしましょう。
たくさんの友達と関わることができるように、準備やプログラムを設定することも大切です。
子供の思いを生かした活動のめあてを立てる
活動を進めるにあたり、活動のめあてが大切になってきます。どんな集会にしたいのか、集会を通して、自分たちがどんな姿になっていたいのかを子供と一緒に考えましょう。
「仲よくなる」というめあてであれば、どうすれば仲よくなれるか、より具体的にしていくことが大切です。「友達のことを知って、仲よくなる」というめあてが立てられたら、友達とたくさん関わることができるプログラムづくりにつながっていきます。教師自身も集会活動を通して、子供たちにどんな力を身に付けていきたいかを明確にしておくことで、適切な支援をすることができます。
活動のめあてから内容を考える
活動のめあてに沿って、子供たちと相談しながら内容を決めていきましょう。自分たちで活動をつくっていく経験を積み重ねていきます。
実践する
お互いのことをよく知るために、名前と好きなものを書いた名札を付けたり、名刺交換の前に自己紹介をしたりするなど、実態に合った工夫が考えられます。
密にならないように、机は端に寄せるなど、なるべく広い場を確保しましょう。
活動をふり返る
めあてに沿ってふり返りましょう。子供たちのがんばりやよかった姿を価値付けし、全員で共有する時間を大切にしていきましょう。
活動をつくり上げたことへの達成感を味わい、学級への所属感をもつことができます。
四年生「一年間がんばるぞ集会」
三年生までの経験を経て、四年生では自主的な 活動が活発になります。最初の集会活動では、活動を自分たちでつくっていくという期待感や、学級への所属感を高めるために、活動をつくる楽しさを十分に味わえるように手立てを考えましょう。
活動のきっかけ
「もっとみんなと仲よくなりたいな」「学級目標を決めたいな」「友達の誕生日をお祝いしたいな」など、新しい学級への思いを、子供たちは膨らませていきます。子供たちの思いや身の回りの気付きから生まれる活動を大切にしましょう。
役割分担をして準備をする
クラスのみんなで活動をつくり上げることが大切です。役割分担をすると、一人ひとりの役割が明確になり、主体的に取り組むことができます。
友達と協力して準備をすることで、自分や友達のよさに気付き、人間関係も深まります。
係が決まっていれば、係ごとに準備をしていきましょう。係が決まっていなければ、役割を自分で選んで準備を進めていくのもよいでしょう。
役割分担の例
- 遊び係……集会のゲーム
- 音楽係……歌
- かざり係……かざり
- 新聞係……プログラム
- たん生日係…プレゼント
など
それぞれの係やグループごとにめあてを立て、計画表などを掲示していくことで、全員で活動をつくり上げていることを実感できます。
話し合う
準備を進めていく中で、「みんなに相談してみたい」という問題が出てきます。困ったときには、みんなで話し合って解決していくという学級のルールを全員で理解していくとよいでしょう。
学級会では、議題や提案理由が大切になってきます。焦点化した議題にし、活動のめあてにつながるように一緒に考えていきましょう。
実践する
めあてを考えながら、プログラムを構成していきましょう。最初の集会活動で、基本的な流れを決めておくと、その後も子供たちが自分たちでプログラムをつくることができるようになります。
活動をふり返る
子供たちのがんばりやよさを大切にして、教師が価値付けをします。子供たちの様子をよく見て記録をしておきましょう。また、めあてを意識しながら準備を進めてきたことや、全員で協力して活動をつくり上げたことの価値を具体的に伝えていくことで、次の活動への意欲につながります。
「ありがとうカード」や「がんばったねカード」など、子供同士で認め合うことができるようにすると、自己肯定感も高まります。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年4/5月号より