集団登下校や送り迎えの便をはかる【あたらしい学校を創造する #26】

先進的なICT実践と自由進度学習で注目を集めた元・小金井市立前原小学校教諭の蓑手章吾(みのて・しょうご)先生による連載です。公立学校の教員を辞して、理想の小学校を自らの手でつくるべく取り組んでいる蓑手先生に、現在進行形での学校づくりの事例を伝えていただきます。
開校までのカウントダウンが始まりました! 今回は、集団登下校やスクールバスについてのお話しです。

目次
スクールバスと集団登下校
入学者の選考が終わり、入学予定者が決まったということでほっとしたのも束の間、開校までにやるべきことが山のように押し寄せてきました。開校までのカウントダウンの中、何をしているのかについて話します。
おおよその入学予定者と居住地域が絞られた段階で考えたことは、子供たちの通学についてです。公立学校に通う子供はその近辺の住民に限られますが、オルタナティブスクールでは遠距離から通う子がいるため、送り迎えに関しての問題点は、解決すべき課題となります。
子供にとっても親御さんにとっても、登下校が負担になることも考えられます。送り迎えは毎日のことですから、やっぱり通いやすさというのは、子供のパフォーマンスを左右する重要な要素です。選考段階でも、遠方に住んでいる家庭からの応募に対しては、正直こちらとしても不安を持っていますと伝えました。近くに引っ越して来られるという方も結構いました。
ヒロック初等部の最寄り駅は東急田園都市線の用賀駅です。電車通学の子は駅まで来てもらってから、集団登下校する予定です。最初は子供たちだけでなく、僕らシェルパ(ヒマラヤ登山のガイドを意味する言葉からとった、ヒロックでの教師の呼び名)も同行して引率します。特にシェルパであるヨヘイ(五木田洋平)さんは近くに引っ越してきたので、それこそ出勤を兼ねて一緒に登校する感じになります。
ヒロック幼児部から上がってくる子は、比較的遠距離となってしまいます。そこで、毎日スクールバス(といっても人数が少ないのでハイエースみたいな車ですが)を出して、幼児部のある東急電鉄目黒線の不動前駅辺りでピックアップする方向で最終調整しています。そのための車選びをバディ・クラブ(ヒロックの支援コミュニティ)のメンバーにアドバイスしてもらっていることは前にもお話ししましたね。今はドライバーを探しているところです。
スクールバスも学校と駅までの集団登下校も、状況に応じて変えていきたいとは思っています。集団登下校することにだんだん慣れてきて、たとえば、三年生の子が成長し、リーダーとして引率できるようになったら、毎回シェルパがつかなくても大丈夫になると思っています。スクールバスについても、ヒロックは子供の人数が多くはないので、ここまで出てきてくれたらここで拾うよというふうに、うまく融通を利かせつつやっていこうと思っています。
