【小一小二】10月の学級経営のポイント
低学年の10月の学級経営のポイントを紹介します。
執筆/神奈川県公立小学校主任教諭・佐々木陽子
目次
スポーツの秋
秋は運動を楽しむのには最適な時期ですが、新型コロナウイルスの影響で、運動会が中止や縮小しての開催となった学校もあるでしょう。
さらに、体力向上のための大縄大会など形を変えて行う学校もあるでしょう。運動行事がある学校では、クラスや全校で取り組む活動に向かって、練習から本番まで指導を工夫し、子供たちのやる気を引き出していきたいですね。
ポイント1 練習内容は可視化しよう
「今日の練習内容は○○、目標は○○、明日は…三日後は…」などと、日付とともにその日は何をやって、どんな目標を立てるのか、個人カードや教室の掲示板を使用して可視化していきます。
一人ひとりが明確に練習の内容や目標を明確に把握するだけで取り組む姿勢が変わってきます。
ポイント2 よいところの価値付けをする
がんばったところやよいところは、その日のうちに価値付けをします。自分一人でふり返るだけではなく、友達や先生からがんばったところやよいところを話してもらい、全体で共有します。みんなでお互いに認め合ううちに、モチベーションが高まり、チームワークがよくなります。
運動の技術的なことだけではなく、「片付けをがんばっていたね」「友達に分かりやすくアドバイスしていたね」と、些細な様子や行動もほめるポイントです。
素敵なところをどんどん価値付けしてクラス一丸となって取り組みましょう。
ポイント3 安全性や体調管理を考える
まずは、服装です。体育着の上着がズボンからはみ出していたり、帽子の紐がたるんでいたりしていないかを確認させます。休み時間に私服で練習する子の中には腰巻きをしたり、長い髪の毛を結ばずに運動したりしている子もいます。
何かの拍子で物や人にひっかかり、大きな怪我や事故になることも考えられます。子供にそのような事故になることも想定させて安全の指導をしましょう。
まだまだ、暑い日が続きます。汗拭きタオルの使用や水分補給をこまめにし、体調管理をしっかり行いましょう。
読書の秋
子供たちがたくさんの本を手に取る工夫をしていきます。
本を読みたくなる工夫の例
- 学級文庫の入れ替え
- 読書コーナーの設置
- 読書の感想を伝え合う場の設定
- 先生からの本紹介や読み聞かせ
- 子供たちからの本紹介
- 学習している単元と連携させた本を置く
- 読書週間への参加
- 読書記録カードの記入
- 保護者への呼びかけ など
学校や家庭や地域と連携を図り、読書に気軽に親しみ継続的に取り組めるようにしていきましょう。
食育の秋
食材が豊富にそろう秋です。おいしい食材を目の前に並べるなど、あれこれ工夫して食育を進めていくのにぴったりな季節ですね。
年間指導計画を基に、教科や給食の時間などを利用して楽しい食育を行います。学校栄養職員や養護教諭などと連携を図り、一過性なものにならないように継続的に食育を進めていきます。
社会科見学の計画・実施
- 実施届け・渉外・会計などの役割分担
- 実施踏査
- 事前の指導
- 保護者へのお知らせ
- しおりの確認
- 事後のふり返り
教科のねらいに沿って、見学時期や場所を吟味していきましょう。
また、新型コロナウイルス感染拡大の対応で団体の入園や見学などを断っている施設もあります。事前に確認をしておきましょう。
忘れ物の対応も教師側で用意をしておきます。当日忘れ物をしたり、途中でなくしたりする子がいます。マスクや手を拭くハンカチの代わりのキッチンペーパーなど、用意は万全に!
大きな行事の進捗状況の確認
長い二学期、大きな行事の詰まった二学期とも言われます。いつまでに何をやっておくのか、週案簿やスケジュール手帳などを上手に使い、見通しをもって活動を進めていきます。
学年や学団の先生とも話し合い、声を掛け合って進捗状況の確認をしておきましょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年10月号より