ICT活用で多様な「学びの保障」を確保する
今、子供たちを取り巻く環境は、今まで経験したことのない状況の中にあります。しかし、子供たちのため、多様な「学びの保障」を考えていきましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・荒牧真代
目次
ICTとは?
IとTの間に「communication(通信、伝達)」という言葉が入っており、通信によるコミュニケーションの重要性を強調しています。
ステップ①
校内ICT環境について、情報担当の先生に確認しましょう。ICT支援員さんが入っている場合は、さらに強い味方になってくださるはずです。
ステップ②
情報教育・プログラミング教育年間計画を確認しましょう。
地域の課題を教育のICT化でもっと前向きのサイクルに!
子供、保護者、地域の人、教職員の間で双方向のやり取りをめざしたいですね。
学校におけるICT活用シーン
校務の情報化の推進
- 校務の情報化の目的
- 統合型校務支援システムの導入
- 校務の情報化の進め方
- 特別支援教育における校務の情報化
教科等指導におけるICT活用
- 教科等の指導におけるICT活用の意義とその必要性
- ICTを効果的に活用した学習場面の分類例と留意事項等
- 各教科等におけるICT活用をした教育の充実
- 特別支援教育でのICT活用
情報活用能力の育成
- これまでの情報活用能力の育成
- 学習の基盤となる資質・能力としての情報活用能力
- 情報活用能力の育成のためのカリキュラム・マネジメント
- 学校における情報モラル教育
プログラミング教育の推進
- 必要性およびその充実
- 小学校段階におけるプログラミング教育
教師に求められるICT活用指導力等の向上
- 教師に求められるICT活用指導力
- 教師の研修のしくみ
- 教師の要請、採用等
特別支援教育における教育の情報化
ICTを活用することによって、情報の共有がスムーズになり、より子供一人ひとりと向き合うことができます。
見えてきた新たな学びの形
「子供たちと授業ができない」「家庭訪問もできない」「グループで話合い活動ができない」など、様々な「〜ない」が学校現場にある今だからこそ、「チャレンジ!」の気持ちが大切ですね。
①「まず、やってみよう!」
これまで、様々なアイデアを振り絞ってきた先生も多いと思います。まず、できることをやってみましょう。前向きな気持ちは、子供たちにきっと伝わるはずです。
②「今、何ができるかな」
学校ホームページの活用
- 「先生たちからのメッセージ」動画を掲載したい。でも、顔を出すのが不安な場合は、パスワードをつけることもできます。学校の連絡メールなどで、家庭にだけ伝えれば安心です。
- 「先生からの挑戦状」先生のそれぞれの専門を生かして、子供たちの意欲が継続するような問題を掲載します。
③「もっと、これもできそうだな」
オンライン授業で朝の会
まず、やってみる。校内研修や情報教育担当者研修でオンライン授業体験するとイメージを共有できます。
中学校には、技術科の先生もいます。校区の中学校の先生と連携して、オンライン授業を行ってみましょう。「やってみたい」という思いを先輩の先生にしっかり聴いていただきましょう。
④「あ! これは、あの子にいいかも」
これは、実際にオンライン授業を体験された先生の言葉です。緊急事態のときだけでなく、ICTを活用することで、多様な学びを保障でき、様々な特性を持つ子供たちにとっても、主体的な学びを助けることができます。
情報活用能力とは?
情報活用能力
情報及び情報手段を主体的に選択し、活用していくための個人の基礎的な力。
A 情報活用の実践力
- 課題や目的に応じた情報手段の適切な活用
- 必要な情報の主体的な収集、判断、表現、処理、創造
- 受け手の状況などを踏まえた発信・伝達
ICT の基本的な操作、情報の収集・整理・発信
(文字入力、インターネットなど情報手段の適切な活用等)
B 情報の科学的な理解
- 情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解
- 情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解
プログラミング
(コンピュータの仕組みの理解等)
C 情報社会に参画する態度
- 社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響の理解
- 情報モラルの必要性や情報に対する責任
- 望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度
情報モラル
(情報発信による他人や社会への影響、危険回避等)
ICT活用には、家庭との連携や情報モラル教育がとても重要です。「ICT機器を意図して使いこなす子供」を育てたいですね。
参照/「教育の情報かに関する手引き」(文部科学省)
イラスト/高橋正輝
『教育技術 小五小六』2020年9月号より