ページの本文です

クラスに学習の遅れが顕著な子がいる場合の対処法|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

連載
沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」
関連タグ

国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭

沼田晶弘

独自の学級経営&教科指導で子供たちのやる気を引き出す「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生 。今回は、一学期を終えた段階で、クラスの中で学習の遅れが顕著だった子がいる場合、二学期以降にどのようにフォローするとよいのかアドバイスいただきました。

撮影/下重修

できなくて困っている子もいれば、もっと早く進みたい子もいる

クラスの中に学習の遅れが顕著な子がいる場合、授業全体の進度を遅くするほうがよいのか、個別に対応するほうがよいのか悩ましいところはあるよね。

どちらにせよ、一学期をふり返り、学習の遅れが目立つ子がいた場合、二学期以降のフォロー体制を夏休み中に準備しておくことは大切だ。

もし個別にフォローすることが可能な学校であれば、一人一人の進捗度に合わせてフォローできるとよいだろう。しかし、授業内に全体指導の中でフォローしなければならない学校も多いだろう。

まず、どの子供が、どれくらい学習定着が不完全なのか、しっかり把握することが必要だと思っている。

もし、重要単元についてクラスの大半の子供が定着できていないのであれば、復習する時間を増やすなど、全体的に学習内容を見直す必要があるだろう。

しかし、もしごく一部の子に遅れが目立つ場合にはどうすればよいか。

こういう場合、ついつい遅れが目立つ子供たちの対応を先に考えがちだが、進捗を遅くしたり、担任が遅れている子の対応に追われてしまうと、その他の多くの子供にとっては、待たされたり、同じ学習をくり返してばかりという時間が多くなる。当然不満が溜まり、学ぶ意欲も落ちてくる。

忘れてはいけないのは、授業についていけず困っている子もいれば、もっと早く進みたくてストレスを感じている子もいるということ。

まず、できる子のケアをしてから、遅れている子のケアをする

ボクは、学習の定着度に差がある場合には、まずはできる子のケアをしてから、遅れている子のケアをするようにしている。

先にできた子が楽しめる学習を用意し、その子たちがその学習に夢中になっている時間に、遅れている子のそばに行き、丁寧にケアをするようにしているんだよね。

例えば低学年のカタカナの学習。
すでにカタカナが書ける子と、まだ書けない子がいるよね。
だから、カタカナの学習が早く終わった子には、正しいえんぴつの持ち方に気を付けながら、教科書の挿絵を丁寧になぞらせるという学習を取り入れている
理由は、 時間を無駄にしないというだけでなく、 文字だけを書いていると、文字をきれいに書こう、もしくは速く書こうとして、えんぴつの持ち方が崩れてしまう子がいるので、線をなぞりながら、正しい持ち方の練習をさせたいから。 また、線をじっくりなぞらせることで、えんぴつの動かし方が上達し、自分で思うようにコントロールして動かせるようになるから。
さらに、丁寧に挿絵の線をなぞっている子を価値づけすることで、学習が遅れている子にも「あの子かっこいいな。自分も早くカタカナを書けるようになって、絵をなぞってみたいな」というモチベーションにつなげたいと思っている。

得意な子も、不得意な子も両方が楽しめる活動を考える

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!
連載
沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」
関連タグ

人気記事ランキング

学級経営の記事一覧

フッターです。