夏休み明けの学活に! 学級で夏祭りを楽しもう
夏休みは子供たちにとって特別な期間です。ところがコロナ禍の今、夏ならではの行事が中止や延期になったりすることが考えられます。こうした状況を残念に思っている子供もたくさんいることでしょう。そこで、学級で夏らしいイベント「夏祭り」を企画しましょう。みんなで力を合わせて夏祭りをつくり上げることで、楽しい思い出ができるだけでなく、友達との結び付きが強まり、学級への愛着も深まります。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・山本恭兵
目次
子供の思いからスタートする
夏休み明けには、夏休みの出来事や思い出を学級で共有します。そのなかで「夏祭りに行ったよ」あるいは「今年は夏祭りが中止になってしまって残念だったな」という声を拾い、学級全体に広げます。大切なのは教師から呼びかけるのではなく、子供の思いからスタートすることです。
めあてから活動の内容を決めていく
夏祭りをやることが決まったら、学級のめあてを立てます。「この夏祭りが終わったときに、みんながどうなっていたら大成功かな」と問いかけると、低学年の子供にも分かりやすいでしょう。「みんながもっと仲よくなる」「みんなの思い出ができる」などの言葉から、めあてを立てることができます。
さらに、めあてを基に夏祭りの内容を決めていきます。みんなで話すと時間がかかるので、実行委員を決めて、休み時間に相談し、後からみんなの承認を得るという方法もあります。
活動内容が決まったら、簡単な予定表を作って掲示すると、子供が見通しをもって準備を進めることができます。
役割分担し、準備を進める
一人一役で役割分担をしたら、準備を進めていきます。このとき、一つの役割に人数が集まりすぎないように配慮することも大切です。教師は子供たちの準備の様子を見ながら、必要に応じて問いかけをしたり、アドバイスをしたり、手伝ったりして支援します。
また、リハーサルのように一度試してみる機会を設けると、子供が自らの課題に気付き、よりよい活動にすることができます。
夏祭り本番を行う
夏祭り本番は、教師がいちいち指示を出すのではなく、子供が自分たちの力でできたと思えるように、子供を後ろから支えます。
活動中の子供たちのいきいきとした表情や自分の役割をがんばる姿などを写真 や動画で撮影し、ふり返りに生かすことも有効です。
ふり返りをする
活動後はすぐに、めあてが達成できたかどうかをふり返ります。できたことを称賛し、自信が付くようにしましょう。
学級での夏祭り 活動アイデア
みんなで打ち上げよう! 大きな花火
模造紙や四つ切りの画用紙に、折り紙で貼り絵をして大きな花火を作ります。密集防止のために、貼る場所をあらかじめ決めて、順番に貼るようにしましょう。
貼り終えたらそれを二つ折りにして、教室の高いところに掲示します。ひもを付けておき、みんなで合図をしてひもを引っ張ると、紙が開いて花火が現れます。
みんなでワッショイ! おみこし
長い支柱や棒などを4本組み合わせた土台の上に、段ボールなどを載せておみこしを作ることができます。土台にしっかりと固定して、4人ずつで担いで練り歩くとお祭り気分が盛り上がります。学級だけのかけ声をつくったりしても特別な感じがしてよいでしょう。
担いで歩くときには、棒の先が人にぶつからないよう気を付けましょう。
みんなで踊ろう! 盆踊り
学級で簡単な盆踊りを練習して、みんなで輪になって踊ります。学級の歌を基にしたり、子供たちが好きな歌を使用したりすると、より楽しくなります。輪の中心には、おみこしや学級の旗など子供たちになじみのあるものを置くとよいでしょう。
みんなで探そう! 宝探し
小さなカードに、夏に関係のある絵を描き、それを教室内に隠します。チームに分かれ、相手チームが隠したカードを宝として探します。難易度に応じて点数を付けたりしても盛り上がります。
みんなで変身! お面屋さん
画用紙などでお面を作り、みんなでかぶると夏祭りの気分が高まります。学級のキャラクターをお面にすると、自分たちだけの特別感が出ます。
食べ物屋さんいろいろ
お祭りには綿あめやかき氷など、いろいろな食べ物屋さんがあります。子供たちのアイデアを生かして工作すると、楽しい食べ物屋さんができます。綿やお花紙、割りばしなど材料になりそうなものを用意しておくと、子供がすぐに活動に取りかかることができます。
商品ができたら、学級を二つに分けて買い物ごっこをするとよいでしょう。
楽しいゲームいろいろ
輪投げや射的、金魚すくいやくじ引きなど楽しいゲームも夏祭りにはたくさんあります。子供の経験を聞きながら、イメージがわくようにしていきましょう。
集会活動では、子供同士の関わり合いが必然的に増えてきます。3密を回避するよう、教師が場の設定やグループ分けなどを配慮するようにしましょう。また、会場も教室や体育館、校庭で行うとよいでしょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年9月号より