小学校での熱中症対策のポイント
気温が高くなる時期に学習を進めるうえで、気を付けなければならないのが熱中症です。子供たちが安全に学校生活を送ることができるように、熱中症の対策を確認しておきましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・杉本竜太
目次
未然に防ぐ
子供たちの様子を確認して、熱中症を未然に防ぎましょう。
水分補給
汗をかくこの時期は、水分をこまめに補給することが重要です。暑さが厳しくなってきたら、休み時間に関係なく、子供たちの様子を確認して、水を飲む時間を確保しましょう。学校によっては、自分の水筒を持ってきている場合もあるので、水筒を持ってくる時期、水筒の中身、飲む時間などを確認しておきましょう。
暑さに体を慣らす
熱中症は、急に暑くなる時期に集中して起こりがちです。暑くなってきたときには、いつもより運動を軽くしたり、時間を短くしたりするなど、子供たちが徐々に暑さに慣れることができるようにしましょう。
校庭で運動をするときには、帽子などで直射日光を防ぎます。直射日光の当たらない体育館であっても窓を開け、換気をして、体育館内の温度が上がらないように気を付けましょう。
あまりにも、暑すぎたり湿度が高かったりする場合には、子供たちに室内で過ごすように指示することも大切です。
環境を整える
子供たちの様子を確認したり、教室内の温度計で室内の温度を計測したりしながら、扇風機やエアコンを使うタイミングを見極め、学習環境を整えていきましょう。学習に集中するうえで、環境を整えることはとても重要です。
プールで行う水泳学習でも体の中の水分を失い、時に脱水症状になり、熱中症を発症することがあります。そのことを頭に入れ、指導を行うことが大切です。外気温に加えて水温も高くなると、体の熱が逃げにくく、熱中症の危険性が高くなります。給水を行い、プールの水温を適正に保つようにしましょう。
子供の具合が悪くなってしまった場合には……
暑い日に、子供の具合が悪くなった場合には熱中症を疑い、早めに活動を中止して応急処置をしましょう。応急処置の方法については各校の計画を確認して、適切に対応できるようにしておきましょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年7/8月号より