がんばりを認める通知表の渡し方
子供たちが「がんばってきてよかったな」と自信をもち、意欲を高めることができるような通知表の渡し方の工夫を紹介します。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・山本恭兵
目次
意欲を高めることができるような工夫を
子供にとって、通知表をもらうということは特別なことです。特に、一年生にとっては初めての通知表です。自分のがんばっている様子を教師がどんなふうに見ていてくれたのか、子供はどきどきしながらも楽しみにしていることでしょう。
学習については、学校ごとの評価規準に照らして評価し、通知表に記載します。しかし、それだけではなく、学校生活全体を通して見られた、その子のがんばりやよさを伝え、認められるようにしたいものです。
通知表を受け取った子供たちが、「がんばってきてよかったな」と自信をもち、「二学期は○○をがんばるぞ」と意欲を高めることができるような工夫をしていきましょう。
一人ひとりのがんばりを具体的に認める
通知表の記述は保護者向けで難しいため、子供と話すときは一、二年生でも分かる言葉で、具体的な場面が想起されるようにしましょう。
例えば「国語の『ふきのとう』の音読で、強弱に気を付けて音読できたね」などと具体的場面を挙げ、さらに「みんなの前ではっきりと音読できるようになって、すごく練習をがんばっているなと思ったよ」と、教師の感想や思いを加えると、子供によく伝わります。あるいは、「もう少しテンポを工夫して読むと、もっと聞きやすくなるよ」と、さらに伸びるためのヒントを加えることも有効です。
また、言葉で伝える以外にもカードや手紙で伝える方法があります。子供のがんばりやよさを認めるメッセージカードやミニ賞状を事前に用意しておき、通知表と一緒に渡します。そのときに、写真を貼ったり、グループの友達からのメッセージを添えたりすると、より具体的な場面が思い出され、子供の自信になることでしょう。
渡すときのポイント
通知表の渡し方は、学校によって方法や時間が決まっている場合もあるので、事前に学年の担任間で確認しておきましょう。
廊下などに机や椅子を置いて、一人ずつ話をしながら渡す場合は、時間がかかるので、待っている子供たちへの課題を準備しておく必要があります。「一学期にがんばったことの絵」「隣の友達へのお手紙」など、一学期をふり返ることができるような課題がよいでしょう。
また、一人に時間がかかりすぎて時間内に終わらない、子供によって時間の差がありすぎるなど、子供が不満をもつことがないように配慮しましょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年7/8月号より