学級活動(2)「人との関わり方」についての話合い活動
6月は、新しい学年での生活にも慣れ、学級の中で少しずつ個性が見え始めるころです。この時期に、互いの個性を前向きに受け入れることについて話し合いましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・杉本竜也
目次
事前の活動
アンケートを実施します。
- 誰とでも楽しく学校生活を送りたいですか。
- 友達の発言や態度が気になることがありますか。
などの質問に対して、具体的な例を挙げて記入するようにさせます。
本時
①つかむ(課題を把握する)段階
まず、アンケート❶の結果を提示し、誰とでも楽しく生活したい気持ちをみんなが持っていることを確かめます。
次に、アンケート❷の結果を提示し、友達の発言や態度に対して気になっている子がいるということに気づかせます。そこから、みんなと楽しく学校生活を送るためには、現状をどのように変えていけばいいかという問いを生み出させます。
①つかむ
誰とでも楽しく学校生活を送りたいのに、友達の発言や態度が気になるのはどうしてかを考えてみよう。
上手に人と関わることができる学級にするために自分が頑張ることを決めよう。
②さぐる(原因の追及)の段階
どうして友達の発言や態度が気になるのか、原因を探っていかせます。原因を明らかにして、よりよい解決方法を見つけられるように、書いたり話し合ったりする活動を行います。
付箋紙を活用して原因を分類し整理しながら、小グループ等で話し合うことも有効です。
②さぐる
どうして友達の発言や態度が気になると感じるのだろう。
③見つける(解決方法を話し合う)段階
友達のよいところを大切にして上手に関わるために、自分にできることについて話し合わせます。その際に、グループを意図的に編成するなどして、多様な視点で考えられるようにします。
③見つける
上手に人と関わることができる学級にするためにどんなことができるか。
話し合ったことは、全体で交流して、黒板に整理します。
養護教諭とのチームティーチングで、リフレーミングなどの専門的な知識や方法を提供することも有効です。
④決める(個人目標を意思決定する)段階
見つける段階で話し合ったことをもとに、自分に合った取組内容を決めさせます。
④決める
上手に人と関わることができる学級にするために、自分が頑張ることを決めよう。
本人の課題に応じて多様な意思決定が出てくると思いますが、本人の意思を大切にします。
事後の活動
まず、1週間程度実践させ、ペアやグループで振り返りを行い、お互いの頑張りや成果を認め合わせます。
その後、継続して実践をしたり、新たな目標を設定したりするための助言を行いながら児童の活動を価値づけていきます。
イラスト/北澤良枝
『教育技術 小五小六』2020年6月号より