楽しく大きく成長する学級内での集会活動のポイント

子供たちの思いや願いを生かしながら、子供たち自身で活動できる集会活動を行うポイントを紹介します。

執筆/福岡県公立小学校教諭・西村仁志

集会活動のポイント

学級生活を豊かにする集会活動

学級活動(1)で学級会をした後に、決めたことをみんなで実践する時間です。集会活動を通して、学級の仲間とともに楽しく充実した学級生活を生み出すことができます。子供たちの思いや願いを生かしながら、自分たちで活動できるようにしましょう。

一部の子供だけが計画して、集会活動を行うことがないようにしましょう。学級全員で話し合い、準備や実践を行います。

子供が「何となく楽しかった」だけで終わったり、「参加するだけ」になったりしないように目的を明確にすることが最も重要です。教師は見栄えなどの結果よりも、子供を成長させるというねらいを持って活動の過程を重視しましょう。

集会活動の流れ

学級活動(1)議題例

年間を見通して、ある程度、子供たちと計画を立てておくことも考えられます。その際、同じ種類のものばかりではなく子供の生活経験を生かした活動になるように配慮しましょう。他の学級や他校の集会活動の情報を伝えるなどの工夫も考えられます。

1学期 みんなで活動する楽しさ

4月
「どうぞよろしくの会」をしよう
学級の係を決めよう

5月
運動会へ向けた学級旗をつくろう
学級の歌づくりをしよう

6月
学級の歌詞ブックをつくろう
係活動を充実させよう

7月
夏祭りをしよう

2学期 学級文化の創造

8月
2学期の係を決めよう
車酔いを吹き飛ばすバスレクリエーションをしよう

10月
ミュージックビデオをつくろう
学年スポーツ集会をしよう

集会活動の事例

議題の発見

学級の友達とトラブルが多い。些細なことで、すぐ怒ってしまい、友達と関わりが減っている。

友だちとのトラブル

教師が児童Aと関わる。話したり、遊んだり、日記をやりとりしたりする。学級全体へも問題意識を高める。

交換日記
「本当はもっと仲良くなりたい」

活動計画の作成

活動の時間帯や場所等を確認する。提案理由に何のためにするのか、目的を明確にする。

子供
「今回の目的は、けんかがあったことを乗り越えて楽しめることです」

学級会

議題 いろいろな人と関われる夏祭りをしよう

子供
「A君と最近関われていないから、同じグループになりたいな」

集会活動における教師の役割

子供たちの思いや願いを大切にすることは重要ですが、すべてを子供たちに任せるわけではありません。

考える教師

例えば、活動の時間帯や場所等、教育課程に関することは各学校で定められています。子供に任せることができません。子供たちに委ねることと、教師がすることをはっきり分けましょう。

人間関係に関わるグループ編成などは、学級の実態に応じて、適切に指導に当たることが大切です。

適切な指導とは

2学期 人間関係の広がり

11月
学級の問題を解決しよう

12月
いろいろな人と関わる
クリスマス集会をしよう

3学期 誰とでも関われる関係

1月
3学期の係を決めよう
卒業に向けた取組を計画しよう

2月
学級文集をつくろう
全校のみんなと交流しよう

3月
ありがとう集会をしよう

卒業式

学級内の集会活動の議題例

レク系
すごろく大会をしよう
カラオケ大会をしよう
1年生とクイズ大会をしよう

運動系
ドッジボール大会をしよう
駅伝大会をしよう
ソフトボール大会をしよう

文科系
お誕生日会をしよう
学級新聞コンクールをしよう
4年生へ委員会の紹介をしよう

準備

全員の頑張りを見る。また、子供同士の関わりを見る。

話合いの様子
「A君にはこんな一面もあるんだ」

集会活動

子供たちの活動を身守りつつ、悲しい思いをしている子が1人もいないか気を配る。写真等で記録も残す。

話し合う様子

振り返り

成果や課題を共有して次の活動へつなげる。

話合いの様子
「A君がプログラムを自分から進んで作ってくれたよ」

学級生活

集会活動後の学級での人間関係を観察する。

クラスメイトと関わるA君
教師「A君は集会の前より友達と関われているな…」

集会活動の結果だけではなく、子供たちの努力の過程を大切にしましょう。友達とよりよい関係を築きたい、もっと学級をよくしたい、こういう自分になりたいという思いや願いを引き出していきましょう。

イラスト/北澤良枝

『教育技術 小五小六』2020年6月号より

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