子供一人ひとりを大切にする特別支援教育

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特別支援教育は何と言っても児童理解です。子供の特性を見極め、必要な支援をすることが大切となります。まず、どのように子供たちを理解していくかを考えていきましょう。

執筆/福岡県公立小学校教諭・二田水祐倫

子供一人ひとりを大切にする特別支援教育

特性の理解

学級内には、支援の必要な子供がいます。それを問題児と捉えるのではなく、困難を抱えている子供として支援をしなくてはいけません。

気になる行動があったときには、どのような場面で問題が起きるのか、どの部分でつまずきがあるのかを観察したり、本人と話したりしながら困っていることを理解してあげましょう。

しかし、いきなり出会った子供の特性を見抜くことは難しいことでしょう。子供のよい部分を見つけて褒めてやることを中心に学級経営を行うことが望まれます。

できていることを評価する

実際の場面で、見てみましょう。

例えば、列に並んでいるとき、いつもは割り込んでしまう子に、「きちんと並んでいていいよ!」とささやいたり、姿勢が崩れやすい子がいい姿勢をして聞こうとしている姿を見つけて間髪入れずに、「いい姿勢で聞けていて素晴らしい!」と声をかけるなど、ちょっとした細かい場面でも褒めてやることでよい行動が強化されます。

子供たちをほめる教師

具体的に示す

子供が立ち歩きをするのは、授業の意味がわかっていないからということもあります。そう考えて、自分の授業を見直す必要があります。例えば、言葉だけの指示ではなく、聴覚よりも視覚の方が優位な子供も少なくないため、具体的に図などを用いて説明するようにします。

具体的に示す教師

先生が手本を他の児童に見せる

学級における発達障害のある子供の位置づけは、その子供に対する担任の関わりによって変わってきます。みんなで認め合える支持的な風土をつくりましょう。

怒る教師 → 心配する教師

「?カード」を用意する

わからないことがあってもなかなか意思表示をすることが難しい子供もいます。そこで「?カード」を用意します(カードの裏にマグネットをつけておく)。普段は机の裏側に貼っておきますが、必要なときに机上に「?カード」を出せば、すぐに教師が赴き、わからないところを教えます。

達成感を味わわせる

落ち着かない子供がいる場合、荷物運びなど先生のお手伝いを一緒に行います。作業が終わったら、「ありがとう。助かったよ」と声をかけます。

子供との信頼関係を構築するにはいい機会です。

チャンスを与える

発達障害のある子供は、周囲の状況がわからず、静かにしないといけないときにもおしゃべりをし続けることがあります。それは、いい見方をすれば、話すことに集中していることとも考えられます。

そんなときに、いきなり叱るのではなく、最初は、「○○さん、いいですか」「○○さん、先生はお話をしていいですか」とやさしく声をかけます。それでも気づかないときには、少し声のトーンを落として言います。最後は、強めに言います。しかし、このとき、感情的になるのではなく、聞いてほしいという思いを持って言います。

早い段階で気づくことができたときには、「よく気づいたね」としっかり称賛することも忘れないようにしましょう。

一度で聞かせなくてはいけないと思わないようにして、根気強く指導していきましょう。

発達障害とは

これは、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であって、その症状が通常低年齢において発現するもの」(発達障害者支援法)と定義されています。

ASD・LD・ADHD

子供が「困っている」ことに早く気づき、そのことを周囲が理解し、一人ひとりに合った対応をすることが大切です。

特に気を付けることは、教師は教育の専門家であって医者ではないので、容易に児童の診断をしたり、この児童はこうだからと決めつけたりすることがないようにしましょう。

インクルーシブ教育とは

一言でいうと、誰も排除せずに認める教育です。その背景には、「障害者の権利条約」を批准するために、日本国内の法やシステム整備する必要がありました。これからは、「困っている」子供に合理的配慮を行い、教育活動を進めていかなくてはいけません。

イラスト/高橋正輝

『教育技術 小五小六』2020年6月号より

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