1年生でもできるタブレットの活用方法|樋口綾香のGIGAスクールICT活用術⑤
Instagramでは1万人超えのフォロワーに支持され、多くの女性教師のロールモデルにもなっている樋口綾香先生による人気連載! 今回は、1年生でもできるタブレットの活用方法について教えていただきました。
執筆/大阪府公立小学校教諭・樋口綾香
GIGAスクールのICT活用①~国語:季節の言葉~
GIGAスクールのICT活用②~国語:色カードで意思表示~
GIGAスクールのICT活用③~国語:楽しい宿題~
GIGAスクールのICT活用④~授業にちょこっとプラス~
使用タブレット:iPad
使用アプリ:ロイロノート
目次
1年生でタブレットを使うことの是非
1年生で、タブレットを用いた学習を積極的に行っているという学級はどれぐらいあるでしょうか。
いくらデジタルネイティブと言われる子供たちでも、まだひらがなや少しの漢字を覚えたばかり。
「ノートに文字を書くことだけでも大変なのに、タブレットで学習させて大丈夫?」と疑問や不安を抱く先生もいるのではないでしょうか。
私自身、1年生では、ノートにしっかり文字を書く練習を繰り返して、確実に書く力を身につけてほしいと考えています。
しかし、だからといって、まったくタブレットに触れさせたくないというわけではありません。タブレットを使う良さが必ずあるからです。
また、子供たち自身もタブレットを触りたい、いろいろな機能を使って学習してみたいと感じているでしょう。
子供たちがタブレットの良さを感じながら、適切なタイミングで活用できるよう、授業づくりを考えていくことが大切です。
国語「どうぶつの赤ちゃん」〜いろいろな動物の赤ちゃんの様子を比べよう〜
1月に1年生と、国語の「どうぶつの赤ちゃん」でICTを活用した授業をしました。
授業の中では、ノートやワークシート、そしてタブレットと、各時間の学習内容に合わせて、子供たちが使うものを変えて進めました。
ノートの良さ、ワークシートの良さ、タブレットの良さを子供たちが少しずつ実感し、いつか自分自身で学習の手段を選択できるようにと願って授業づくりをしました。
単元計画(全8時間)
- 感想を書き、交流しよう。(ノート)
- 書かれていることを整理しよう。(ノート)
- 問い(1)の答えを見つけながら読もう。(ワークシート)
- 問い(2)の答えを見つけながら読もう。(ワークシート)
- 3つの動物の赤ちゃんを比べよう。(ロイロノート)
- 事例の順番を考えよう。(ノート・ロイロノート)
- 本でいろいろな動物の赤ちゃんの様子を調べて、カードを作ろう。(本・ロイロノート)
- 調べた赤ちゃんのカードを比べよう。(ロイロノート)
ノートを使った学習
1時間目 感想を書き、交流しよう。
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「板書」の基本③ ~児童の意見を広げるポイント 前編~
「板書」の基本④ ~児童の意見を広げるポイント 後編~
ワークシートを使った学習
問い(2)の答えを見つけながら読もう。(③④⑥⑦段落)
タブレットを使った学習①
5時間目 3つの動物の赤ちゃんを比べよう。
タブレットを使った学習②
6時間目 事例の順番を考えよう。
タブレットを使った学習③
7時間目 本でいろいろな動物の赤ちゃんの様子を調べて、カードを作ろう。
8時間目 調べた赤ちゃんのカードを比べよう。
Yチャートで分類・整理
タブレットを使って学ぶ1年生の姿
この授業が1年生にとってタブレットを使った初めての学習ではありませんでしたが、タブレットの操作を繰り返すことで少しずつタッチ操作にも慣れていき、「〜をしたいから〜の動きをする」というように、自分がしたいことに合わせて操作を選択できるようになっていきました。
タブレットを操作することで、どんどん思考が活性化していくように感じられ、学習には大変積極的でした。
単元の言語活動で取り組んだ「いろいろな動物の赤ちゃん調べ」では、集めた動物の赤ちゃんの本から1つを選んで、「生まれたばかりのとき」と「大きくなっていくとき」の様子のどちらかを3つの動物と比べるように伝えました。すると、早く終わった児童が余っている紙を取りにきて、いくつもカードを作成し始めたのです。
子供たちは、タブレットの良さである「カードを何枚も複製できる」ことに気づき、自分で学びを進めることができていました。また、できた児童から提出箱に提出させることで、困っている児童が提出箱を見て、友達のカードをヒントにしたり、早く終わった子同士でカードを読み合ったりしている姿が見られました。
このような学習を積み重ねることで、子供たちはもっともっとタブレットの良さを感じてくれることでしょう。
次回もICT活用についてお伝えします。
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樋口 綾香
ひぐち・あやか。Instagramでは、ayaya_tとして、♯折り紙で学級づくり、♯構造的板書、♯国語で学級経営などを発信。著書に、『3年目教師 勝負の国語授業づくり』(明治図書出版)ほか。編著・共著多数。
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