単元丸ごと!板書&ノート② 小2国語「お話のさくしゃになろう」
連載|ayaya先生のすてきやん通信
Instagramでは1万人超えのフォロワーに支持され、多くの女性教師のロールモデルにもなっている樋口綾香先生による人気連載! 国語の授業について単元全体の板書とノートの具体例を紹介するシリーズ2回目の教材は、「お話のさくしゃになろう」(光村図書2年下)です。
執筆/大阪府公立小学校教諭・樋口綾香
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目次
「お話のさくしゃになろう」光村図書2年(全9時間)
今回は、物語創作単元の実践を板書とワークシートでお伝えします。
1時間目 お話のつくり方について知ろう。
児童
- これまで学習した物語や、お気に入りのお話を想起する。
- スイミーのお話を振り返って、物語のつくられ方を知る。
- 書きたい物語を想像して、振り返りに書く。
授業者
- 学習の見通しをもたせるために、単元名である「お話の作者」という言葉から、「これまでどんなお話を学習してきたかな?」と問い、物語のイメージを膨らませる。
- 物語の書き方に繋がるよう、要点を整理する。
2時間目 お話に出てくる人ぶつをくわしくしよう。
児童
- スイミーの冒頭に書いてあることを分析する。
- 登場人物の特徴を考えてXチャートに書く。
- 物語の結末のイメージをもちながら続きを考える。
授業者
- スイミーをお手本にすることで、登場人物の特徴を考える手立てとする。
- 困っている児童には、ねずみの得意なことや苦手なことを考えるよう伝える。
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3時間目 お話の「はじめ」を書こう。
児童
- 前時のワークシートを基に、「はじめ」を書く。
- 段落を分けることや、習った漢字を使うよう努める。
- 振り返りには、がんばったことを書く。
授業者
- 書き始めることが不安な児童のために、例文を黒板に書いて全員で確かめる。
- スムーズに書き始められた児童のワークシートを電子黒板で示す。
- 書き終わった児童から交流し、友達の書き方のよいところを見つける。
4時間目 お話の「中」のじけんを書こう。
児童
- 「事件」とは何かを知る。
- スイミーをお手本にして、「中」を書く。
- 「誰が」「何をしたか」「人物の気持ち」を書く。
- 友達のよいところを見つけて振り返りに書く。
授業者
- 表現を工夫している児童を見つけ、全体へ共有することで、物語の定型だけでなく、表現豊かに書こうとする児童を育てる。
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■国語の構造的板書① ~子どもの気づきを引き出す~
■国語の構造的板書② ~二段対応表で比較する~
■国語の構造的板書③ ~逆Yチャートで考えを広げる~
■国語の構造的板書④ ~イメージマップで考えを広げる~
■国語の構造的板書⑤ ~考えを整理する~
■国語の構造的板書⑥ ~感想マトリクス~
5時間目 お話の「終わり」を書こう。
児童
- 「終わり」にはどんなことを書けばよいか、イメージをもつ。
- 「はじめ」や「中」とつなげながら、物語を完成させる。
- 振り返りには、最後まで物語を完成させた自分へのメッセージを書く。
授業者
- 結末のイメージをもてている児童の発言を全体へ広げ、中心人物がどのように変わるのかを意識させて物語を書くように伝える。
6時間目 オリジナル物語を書こう。
児童
- 1時間目のワークシートの振り返りに書いた「書きたい物語」を参考に、オリジナル物語の構想を練る。
授業者
- これまで学習してきたワークシートがヒントになることを伝え、自分の力で物語をつくるよう促す。
- 友達同士の相談や、先生との相談は自由に行えるようにする。
7~9時間目 製本して出版しよう。
児童
- 提出 → 音読 → 修正 → 完成
- 作品に合う画用紙を選び、表紙を書く。
- 奥付(題名・作者・発行日・発行元)を書く。
- 裏表紙を書く。
- 色を塗る。
- 出版する。
授業者
- 出版された作品は、できるだけ表紙を前向きにして展示する。
- 付箋を用意し、友達の作品を読んだ感想を書いて交流できるようにする。
次回も「単元丸ごと! 板書&ノート」をお伝えします。
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以下の記事では、綾香先生が「板書」の基本を教えてくれます!
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■「板書」の基本① ~見やすい文字の書き方~
■「板書」の基本② ~低学年の板書のポイント~
■「板書」の基本③ ~児童の意見を広げるポイント 前編~
■「板書」の基本④ ~児童の意見を広げるポイント 後編~
樋口 綾香
ひぐち・あやか。Instagramでは、ayaya_tとして、♯折り紙で学級づくり、♯構造的板書、♯国語で学級経営などを発信。著書に、『3年目教師 勝負の国語授業づくり』(明治図書出版)ほか。編著・共著多数。