見逃さないで!子どもの「心の病のサイン」
元気がない、ケンカをする…どの子にも見られる通常の言動の中にも、心の病から発しているケースがあります。しかし、よくある子どもの様子だろうと見逃されていることも少なくありません。心の病であれば、早い段階で心理カウンセラーなどの専門家が関わることが望ましいのですが、日本では 米国に比べ、専門家が介入して対処することに関してまだまだ遅れている面もあるようです。心理学の本場であるアメリカで、子どもの心の病に対して心理カウンセリングを行っている、カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也さんに、教育関係者にも知っておいてほしい子どもの心の病のサインについて解説いただきます。
執筆/カリフォルニア州公認心理カウンセラー・荒川龍也

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目次
心の病のサインを見る目を持つ
前回の記事では、なぜ心の専門家が介入しなければ不登校問題は解決し難いかを説明しました。しかし、それでも学校の先生にできる事が3つ(心の病のサインの早期発見、親の成長の手助け、傾聴)ある事もお伝えしました。
今回の記事では、心の病のサインについてご説明します。
以下は、心の病のサインを見落とさないための説明であって、”子どものネガティブな状況”全てが心の病であるということではありません。先生方には、一つひとつのサインを見る目を持っていただきたいと考えています。
子どもによく見られる心の病とは
大人だけでなく子どもも心の病を発症する事実を伝えるとよく驚かれますが、私自身が子どもの頃にうつ病と不安障害を患いました。また、子どももうつ病の症状の一つとして自殺を真剣に考えることもあります。一番小さくて5歳で自殺を考えている子どもを診たことがあります。子どもの言う事は絶対に軽く扱ってはいけません。
以下が子どもに見られる心の病の、代表例です。
- うつ病
- 反抗挑戦性障害
- 不安障害
- ADHD
- 分離不安
- 摂食障害
- パニック障害
では、どういった症状がこれらの心の病の可能性を示唆しているのかをご説明いたします。以下に述べる代表的な心の病のサインが2週間以上続く場合は、心理カウンセラーの介入が望ましいでしょう。