小4国語「お願いやお礼の手紙を書こう」指導アイデア
教材名:「お願いやお礼の手紙を書こう」(東京書籍 四年下)
指導事項:書くことB(1)イウエオ 伝国(1)イ (ア)
言語活動:エ
執筆/京都府公立小学校教諭・川見典子
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、京都府公立小学校校長・藤本鈴香
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元では、相手や目的に合わせて内容を考え、必要な事柄を落とさずに、依頼状や礼状などの手紙を書く力を育てていきます。そのなかで、目的に合わせて書くことを選び、事柄を整理し、相手意識を持って丁寧な言葉で書く必要を確かめ合います。
また、書き上げた手紙を読み合うことで、自分の書いた文章が相手に明確に伝わるものになっているかを吟味し、推敲する力の育成につなげることも意識して指導することが大切になってきます。
②言語活動とその特徴
子供たちは、国語科の学習だけではなく、これまでに依頼状や礼状などの手紙を書くという経験はしてきているでしょう。しかし、手紙の書式を意識して書くことの経験は少ないと考えられます。
そこで本単元では、次の4つのことを意識して単元を計画しました。
- 他教科との関連を図り、手紙を送る相手や目的をはっきりと意識できるようにすること
- 2種類のモデル文を比べることで、手紙の基本的な形式を捉えること
- 形式に気を付け、敬体などの丁寧な言葉を使って手紙を書くこと
- 書いた文章を読み返し、推敲すること
他教科と関連させ、書く目的を明確にすることで、相手を意識した手紙を書く力を育成します。ここでの学習を意図的に各教科や実生活のさまざまな場面で生かす機会を取り入れることで、資質・能力の育成を図ります。

単元の展開(8時間扱い)
主な学習活動
第一次(1時)
①目的に合わせて内容を考え、必要な事項を落とさずに、依頼状や礼状などの手紙を書くという学習課題を設定し、学習計画を立てる。
【学習課題】お願いやお礼の手紙を書こう
第二次(2~4時)
②2種類のモデル文を比べ、手紙の書き方を知る。
→アイデア1 主体的な学び
③目的に合わせ、手紙を書く相手、書く内容を考え、下書きをする。
→アイデア2 対話的な学び
④正しい書き方や目的に合った内容になっているかを確かめるために、下書きをしたものを友達と読み合い、推敲する。
→アイデア3 深い学び
第三次(5時)
⑤手紙を清書し、学習のふり返りをする。
アイデア1 モデル文を比べて読み、手紙の書き方について知ろう
手紙を書くために、どんな手紙を書くとよいのかについて、教師作成のモデル文を基に考えます。そのとき、2つのモデル文を提示することで、丁寧な手紙の必要性や書式について理解することができるようにします。
ゴールの姿をモデル文として提示することで、見通しをもつことができ、主体的な学びにつながります。
▼お願いをする手紙(例①)
▼お願いをする手紙(例②)
↑この手紙の内容で、相手に自分たちの思いが伝わるのか、相手に失礼ではないかについて、例①のモデル文と比べながら話し合います。
アイデア2 目的に合わせて書く内容について話し合い、手紙の内容を考えよう
手紙には、お願いやお礼、案内などいろいろな種類があり、相手や目的に合わせて形式を選び、書くことが大切です。まずは、誰に、どんな目的で手紙を書くかについて、他教科の学習も思い出しながら話し合い、内容を考えることへとつなげていきます。
内容を考えるときには、短冊や付箋などを使ってメモや下書きをし、形式に沿って書くことができるようにします。一人で書き続けるのではなく、対話的な学びを通して自信をもって書くことへとつなげていきましょう。
▼手紙の下書き
▼手紙を書くときに使う言葉
アイデア3 書いた手紙を読み合い、手紙の書き方についてふり返ろう
手紙を書いた後には、自分で読み返すだけではなく、友達どうしで読み合い、自分が伝えたいことが伝わっているか、互いに評価し合うことが大切です。そのときは読み返すポイントを意識することも大切です。
モデル文で学習したことが生かされているか、読んだ相手にしっかりと伝わるかということについてアドバイスをし合うことで、さらに学習が深まります。
▼チェックシートの例
手紙を送った後、実際に見学に行ったりインタビューをしたりした後には、お礼の手紙も書きましょう。お願いをする手紙とお礼の手紙では、書く内容が異なってくることも学べるようにしましょう。
また、横書きの手紙や改まった手紙など、他の形式も紹介することで、実生活に生かすことができるようにしていきます。
『教育技術 小三小四』2019年11月号より