学級経営がうまくいかないときの思考の切り替え方【動画】
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当番など学級経営がうまくいかないときに「うちのクラスの子たちだからしょうがないなあ」なんて思っていませんか? 子供たちのためにも、課題解決と自らの成長のためにも、そんな考え方はすぐにやめましょう! おなじみトモ先生こと髙橋朋彦先生が、「うまくいかない」をチャンスに変える思考の切り替え方についてシェアします。
目次
うまくいかない原因は「子供」? それとも「仕組み」?
みなさんは、学級でうまくいかないことがあったとき、どのようなことを考えますか?
たとえば、給食当番がうまくいかない時です。(⋯ありますよね!?)
私は昔、情けないことに「うちのクラスの子たちだから、しょうがないな⋯」と考えていました。うまくいかない原因は子供にあると思っていたので、その後、給食当番がうまくいくことはありませんでした。

うまくいかない原因が「人」にあることを「ヒューマンエラー(人為的ミス)」というそうです。
では、学級経営がうまくいかないとき、人に原因を求めるのではなく、何に原因を求めるのが大切なのでしょうか?
それは、「仕組み」です!
「システムエラー」と考えるとうまくいく!
先ほどの給食当番を例にとって、「仕組み」に目を向けてみると⋯
「なんで給食当番、うまくいかないんだろう?」
⋯⋯そうか! 4時間目が終わったあと、休み時間になって遊ぶ雰囲気になっているんだ!
⋯⋯そうか! 給食当番の「給食を作る人」がいないんだ!
⋯⋯配膳台の準備が遅れているなあ。
このように、うまくいかない原因を見つけることができるようになります。
そして、その原因を取り除く「仕組み」を作っていこう、と考えることができます。
こうした「仕組み」に原因があることを「システムエラー」というそうです。
うまくいかない理由を「人」から「仕組み」へ、「ヒューマンエラー」から「システムエラー」へ考え方を変えていきましょう!
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実際、ヒューマンエラーからシステムエラーに考え方を変えると、良いことばかりです。
・子供のせいにしなくてよいので、叱ることが減ります!
・改善策を見つけたり、考えたりするので、学級が良くなります!
うまくいかないことが「ダメなこと」ではなく、「成長のチャンス」に変わります!
子供の力を引き出す実践法は?
この「システムエラー」の考え方で解決するとき、最初は教員が改善策を与えてもよいですが、慣れてきたら子供に考えさせるととてもよいです。
もう一度、給食当番を例にとってみると⋯
「ねぇ、みんな、先生の知り合いで、給食の準備が10分以内にできる学級があるんだって。今うちのクラス、20分以上かかってるよね? どうしたらそんなクラスにできるかな?」
と、子供たちに聞いてみます。すると、子供たちは、ああでもない、こうでもない、と話し合いはじめます。
「じゃあ、今日はどんなことやってみる?」
と、子供たちからアイデアを聞き出して、黒板に書いていきます。
「じゃあ、今日はこれをやってみよう!」
と、選んだ改善策を実践してみます。
このように、改善策を子供たちに聞いてみると、私たち大人が考えたよりも、よほど良いアイデアが出てきます!
実際に私のクラスでは、「自分たちで呼びかけすればいいじゃん!」ということになり、呼びかけする子たちが出てきました。これがとても効果的で、どんどん給食が作れるようになっていきました。
最初はうまくいかないこともありますが、改善を何度も積み重ねていくことで、どんどんシステムが改良されていきます。

幅広い問題解決力が身に付く「システムエラー」の考え方
給食だけでなく、休み時間の過ごし方や、人間関係の作り方なども、「ヒューマンエラー」から「システムエラー」に考え方を変えて子供たちに改善策を考えさせていくと、どんどん学級が良くなっていきます。
以前は、教員が学級の課題を解決していくのが大事だと思っていましたが、今では、子供が課題を解決していく力を身に付けさせていくことが大切だと考えるようになりました。
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なので、私は人に原因を求めるヒューマンエラーではなく、仕組みに原因があるとするシステムエラーに考え方を変えています。
今回のテーマ、うまくいかない思考の切り替えとは、「ヒューマンエラー」の考え方です。
それを「システムエラー」に変えるだけで、学級の改善につながっていきます!
この考え方が、みなさんのお役に立てたら幸いです。
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いかがでしたか? うまくいかないことがあると、ついその原因が「人=子供」にあると考えがちですが、うまくいく「仕組み」を考えようとすることで誰のせいにすることもなく学級がどんどん良くなっていく⋯! 子供たちのためにも、私たちの成長のためにも取り入れたい建設的なアイデアですね!
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髙橋朋彦●1983年千葉県生まれ。第55回わたしの教育記録特別賞を受賞。教育サークル「スイッチオン」「バラスーシ研究会」に所属。共著に『授業の腕をあげるちょこっとスキル』『学級づくりに自信がもてるちょこっとスキル』(共に、明治図書出版)がある。算数と学級経営を中心に研究中。
Twitterアカウントは @tomotomoteacher https://twitter.com/tomotomoteacher
トモ先生のインスタ https://www.instagram.com/tomotomotea/
トモ先生のnote https://note.com/tomotomo777