子供を落ち着かせる! 3密回避の「夏休み明けレク」
二学期のスタートに際して、子供たちの心と体をもう一度整えたいもの。教室内外で先生もいっしょに楽しめて密にならずに熱中症にもなりにくいレクのアイディアを紹介します。
監修/東京動きづくり研究会
目次
5歩鬼
ねらい
3密を避けながら、鬼から逃げるスリルを味わう。
〈進め方〉
- 鬼を決める。
- 鬼も逃げる子も、「歩いて」「5歩」で止まる。止まった所で、鬼にタッチされた子も鬼になる(鬼が増えていく)、というルールを伝える。
- 制限回数(例:5回)の中で鬼にならなかった子供が勝ち。
- 慣れてきたら、はじめの鬼を2〜4人に増やす。広い場所ならクラスを二つに分けて、【鬼チーム】【人間チーム】で行ってもおもしろい。
ポイント&留意点
歩くだけなので、走る鬼ごっこよりも、運動量が少なく熱中症になりにくい。5歩のタイミングを合わせるために、「はじめの1歩」からスタートし、リズム太鼓などで5歩のリズムをそろえるとよい。
ボッチャン
ねらい
的当て系のボール遊びで、チーム対抗として勝敗を競い、盛り上がれる。
〈進め方〉
- 一人一つボールを用意し、自分のボールが分かるようにガムテープなどで目印を付ける。
- 4〜6人で1チーム。2チーム対抗で勝負。
- 一辺5〜6メートルの正方形のコーナーをつくり、中心にフープを一つ置く。
- 順番に正方形の周囲からフープの中に入るように、自分のボールを投げる。フープ内に残ったボールの数が多いチームの勝ち。
ポイント&留意点
感染予防のため、原則自分のボールだけを触ること。 「相手ボールにぶつけてフープから出す」「フープの周りにボールを置いて防御」などの作戦をどんどん取り上げよう。
キラキラハンマー
ねらい
自分で作った遊具で遊ぶ(試す)楽しさが味わえる。
〈進め方〉
- 新聞紙・アルミホイル・傘袋(雨の日にスーパーなどに置いてあるもの)を用意。
- 新聞紙1枚を丸め、アルミホイルで包み、なるべく小さくする。
- 2を傘袋に入れ、息を吹き込んで口を縛ったら「キラキラハンマー」の完成。
- キラキラハンマー」を使い、「ねらった所(カラーコーンやフープ)に投げられるか」「誰が一番遠くに投げられるか」などを競って遊ぶ。
ポイント&留意点
運動量が少なく、熱中症になりにくい。感染予防のため、自分の「キラキラハンマー」のみを使用すること。
8・4・2・1歌遊び
ねらい
リズムよく手遊びを共有することで、シンクロする楽しさから一体感を味わう。
〈進め方〉
- リズムの取り方を説明する。 (顔の右側で8回手拍子→左側で8回→右で4回→左で4回→右で2回→左で2回→右で1回→左で1回→最後に顔の真ん中で1回)
- 「もしもしかめよ〜」の歌に合わせて1のリズムの取り方で手拍子し、全員がそろう楽しさを味わう。
- はじめはゆっくりトライし、慣れてきたらテンポを上げていく。
ポイント&留意点
手拍子のみで座席で活動できるので、取り入れやすい。慣れてきたら子供たちからアイディアを募り、他の歌に変えたり、手拍子ではなく「机をたたく」「隣の人とうなずき合う」など、アクションを変えてみたりするのもお勧め。
空想かくれんぼ
ねらい
協力して隠し場所を伝えることで、連帯感を高める。
〈進め方〉
- 「先生が小さくなってどこかに隠れるよ!」と伝える。
- 「今日の鬼役」を一人選び、鬼役は廊下に出る。
- 筆箱の中やポケットの中など、先生が隠れる場所を決め、教室にいる子供たちにも共有する。
- 鬼役の子供が教室に入って隠れ場所を探す。隠れ場所に近付いたら、子供たちは拍手して鬼役の子供にヒントを出す(声を出してはいけない)。
- 時間内(例:1分以内)に隠れ場所を当てられたら、子供たちの勝ち! 鬼役の子供が隠れ場所の見当を付けたら、クラス全員で「ここだぁ!」。当たったら先生は「まいりました…」と言って降参する。
ポイント&留意点
慣れてきたら「クラスを二つに分け、鬼も二人でどっちのグループが速く見付けられるか?」と、競わせても盛り上がる。
花を買いに行こう!
ねらい
グループ対抗で勝敗を競いながら、 全員が参加意識をもつことができる。
〈進め方〉
- クラスを「花屋さん」と「お客さん」の二つに分ける。
- 「花屋さん」は起立。一人ずつ花を選び、選んだ花の名前を全員に伝える。
- 「お客さん」は「花屋さん」が言った花の名前で、覚えている名前を一人一つだけ言っていく。
- 「花屋さん」は自分の花の名前を言われたら座る。
- 「花屋さん」が全員座ったら、「お客さん」の勝ち。一つでも残ったら、「花屋さん」の勝ち。
ポイント&留意点
移動せずに自分の座席での活動が可能。「八百屋さん」「スポーツ店」「コンビニ」など、店を変えていっても難度が上がり、おもしろい。
珍獣ハンター
ねらい
子供が想像した生き物を使ったゲームで、個々の参加意識を高められる。
〈進め方〉
- 一人一つ【珍獣】を空想させ、 珍獣の名前と特徴を紙に書かせて集めておく。
- 方眼線のある用紙を用意。縦軸に1〜5などの数字。横軸にあ・い・う…と五十音を記載し、1枚ずつ配る。
- 「今日の珍獣」を発表。子供たちは2の用紙の縦軸と横軸が交差する所に「今日の珍獣」を書き込む。
- 先生が今日の交差ポイント(例:「3」の「う」)を発表し、そのポイントに珍獣を置いていれば、その珍獣をゲットできる。
ポイント&留意点
用紙は、縦軸5本、横軸5本で25マス、1回につき5回チャレンジ(交差ポイントを1回につき五つほど読み上げる)くらいから始めるとよい。
取材・文/出浦文絵 イラスト/大橋明子
『教育技術 小三小四』 2020年9月号より