ところで『教育技術』って何ですか?

先生になると、一度は「『教育技術』を読むといいよ!」と、先輩からアドバイスされることがあるのではないでしょうか。でも正直、『教育技術』って何ですか・・・? と、思っている先生に、1分でわかる、雑誌『教育技術』の解説をいたしましょう。

『一年生教育』創刊号の表紙。
『教育技術』の前身となった『一年生教育』創刊号の表紙。

小学館「勉強マーク」と同い年! 創刊90年超の教育雑誌

そう、ズバリ、『教育技術』とは、雑誌の名前です。ちなみに、「教育技術」の辞書的な意味は、 「教育の目標を達成するために用いられる方法、手続きの体系」( ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 より)。どのような教育の目標を達成するために書かれたものだったのかは、以下のような歴史的な背景もあります。      

大正デモクラシーの風潮を追い風に、教育についても、子どもを型にはめずに、自由でイキイキとした教育体験を目指そうという 運動が盛り上がっていた1920年代。1922年創立の小学館は、出版界最初の独創的な学年別学習雑誌を次々に創刊します。やがて”教育の小学館”として「勉強マーク」を制定した1927年、小学校教師向けの学年別教育雑誌を刊行。これが、『教育技術』の前身となる『一~六年生教育』でした。       

創刊号学級経営の記事。
創刊号から現在まで途切れなく続く「学級経営」の記事。
創刊号教科指導の記事。
各教科の具体的な指導法を紹介するページ。現在も「教科指導」の連載として続いている。

そして、注目すべきは、表紙にある「教育者への雑誌」「保護者への雑誌」というコピー。学校の先生のみならず、保護者にも手にとってほしいという思いが感じられます。

キャッチコピー
創刊号表紙のキャッチコピー
創刊号保護者記事。
保護者へのメッセージ。母親は耳が痛いでしょうが……。
創刊号予告より。
当時、類似する教育誌が続出したとされていますが、
母親向けの企画は本誌の独自性でもあったことがうかがわれます。
編集後記
編集後記。

行くべき方向を示す光こそ教育の力

創刊号の編集後記には、以下のようなメッセージが綴られています。 

「色々な意味で日本は今過渡期にあります。それゆゑ強い光を必要とします。行くべき方向を示す何物かを必要としてゐます。その光こそ教育の力です。そして我が「小学一年の教育」はその重大な任務の一役割を演ずる覚悟です。」

小学一年生教育 創刊号編集後記

やがて戦時統制を受けますが、1947年、『教育技術』(低学年・中学年・高学年)として復刊。そして、現在に至るのです。

『低学年教育技術』創刊号
小学館の資料室に残っていた、『低学年教育技術』創刊号。
『低学年教育技術』創刊のことば
教育の再建への熱意がほとばしる創刊のことば。
低学年教育技術 座談会

『教育技術低学年4月号』より。座談会企画。
低学年教育技術6月号より
『低学年教育技術6月号』より。「話し合い」「表現」を重視する指導法が綴られている。

時代のニーズに応え、形は変わっても その精神は変わらない

その後、教育技術各誌は、学年別となったり、運動会のダンスなどの映像を収録したDVDがついたり、時代のニーズに応え、さまざまに形を変えてきました。

2009年~2019年の教育技術誌
現在は、創刊当時と同じ、低・中・高の三誌となっています。

そして・・・教育技術はポケットの中へ

イキイキとした子どもを育てるために、全ての教育者の血肉となる技術を届けたいという創刊時の思い、保護者と手を繋ぎ、子どもと対峙する全ての大人が教育者であってほしいという思いはずっと変わりません。

そして、その精神はこのwebサイト『みんなの教育技術』でも同じです!

現代の先生を取り巻く過酷な教育現場の状況を思うと、私たちにできることは微力過ぎるかもしれません。
それでも、すぐに花は咲くものではなくても、前を向くきっかけとなるような種をまくことができたらと考えています。

どうか今後とも、よろしくお願い申し上げます!!

構成・文/『みんなの教育技術』編集部

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