ところで『教育技術』って何ですか?
先生になると「『教育技術』を読むといいよ!」と先輩からアドバイスされることが一度はあったのではないでしょうか。でも正直「『教育技術』とは?」と思っている先生のために、雑誌『教育技術』についての1分でわかる解説をお届けします!
![『一年生教育』創刊号の表紙。](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2019/02/IMG_5901-1024x768.jpg)
小学館「勉強マーク」と同い年! 創刊90年超の教育雑誌
そう、ズバリ、『教育技術』とは、雑誌の名前です。ちなみに、「教育技術」の辞書的な意味は、 「教育の目標を達成するために用いられる方法、手続きの体系」( ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 より)。どのような教育の目標を達成するために書かれたものだったのかは、以下のような歴史的な背景もあります。
大正デモクラシーの風潮を追い風に、教育についても、子どもを型にはめずに、自由でイキイキとした教育体験を目指そうという 運動が盛り上がっていた1920年代。1922年創立の小学館は、出版界最初の独創的な学年別学習雑誌を次々に創刊します。やがて”教育の小学館”として「勉強マーク」を制定した1927年、小学校教師向けの学年別教育雑誌を刊行。これが、『教育技術』の前身となる『一~六年生教育』でした。
![創刊号学級経営の記事。](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2019/03/IMG_5909-1024x768.jpg)
![創刊号教科指導の記事。](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2019/03/IMG_5905-1-1005x1024.jpg)
そして、注目すべきは、表紙にある「教育者への雑誌」「保護者への雑誌」というコピー。学校の先生のみならず、保護者にも手にとってほしいという思いが感じられます。
![キャッチコピー](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2019/03/e5b74f4ae7916ab0e56e58edfead589c.jpg)
![創刊号保護者記事。](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2019/03/483e2de862244788bb6d9665246fa877.jpg)
![創刊号予告より。](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2019/02/IMG_5908-1024x768.jpg)
母親向けの企画は本誌の独自性でもあったことがうかがわれます。
行くべき方向を示す光こそ教育の力
創刊号の編集後記には、以下のようなメッセージが綴られています。
「色々な意味で日本は今過渡期にあります。それゆゑ強い光を必要とします。行くべき方向を示す何物かを必要としてゐます。その光こそ教育の力です。そして我が「小学一年の教育」はその重大な任務の一役割を演ずる覚悟です。」
小学一年生教育 創刊号編集後記
![編集後記](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2019/02/IMG_5915-1024x768.jpg)
やがて戦時統制を受けますが、1947年、『教育技術』(低学年・中学年・高学年)として復刊。そして、現在に至ります。
![『低学年教育技術』創刊号](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2019/02/IMG_5887-1024x768.jpg)
![『低学年教育技術』創刊のことば](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2019/02/IMG_5889-1024x768.jpg)
![低学年教育技術 座談会](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2019/03/IMG_5893-1024x924.jpg)
『教育技術低学年4月号』より。座談会企画。
![低学年教育技術6月号より](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2019/03/IMG_5895-1024x768.jpg)
時代のニーズに応え、形は変わっても その精神は変わらない
その後、教育技術各誌は、学年別となったり、運動会のダンスなどの映像を収録したDVDがついたり、時代のニーズに応え、さまざまに形を変えてきました。
![2009年~2019年の教育技術誌](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2019/03/IMG_61611-1024x768.jpg)
子どもと向き合うすべての大人が教育者であってほしい、全ての教育者の血肉となる知恵を届けたい、こうした創刊時の精神は、このwebサイト『みんなの教育技術』にも引き継がれているのです。
刊行形態変更について詳しくはこちらの記事をお読みください。→『教育技術小一小二』『小三小四』『小五小六』はウェブに刊行の場を移します
構成・文/『みんなの教育技術』編集部