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子供の日記から、いじめが疑われるときの対処法は?|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

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沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」
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国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭

沼田晶弘

多忙な日々の中、工夫を凝らし、子供たちと日記のやり取りを毎日続けている「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生。
日記は、全員の子供と毎日つながることができる貴重なツールになっていると言いますが、時には友達への不満や、いじめにつながりそうな出来事なども書かれていることがあるそうです。日記に気になるメッセージが書いている場合の対応について伺いました。

沼田晶弘先生
撮影/下重修

友達に対する困りごとが
日記に書かれている場合

ボクが子供たちに日記を書かせているメリットや、日記を毎日継続するための工夫については、前回までに話した通り。子供の本音を聞いたり、信頼関係を築くツールとして、毎日日記を書かせているわけだけど、

実際に
「お父さんに叱られたからイライラ中」
「Aちゃんがいじめられているみたいだから、ぬまっち、なんとかして」
「Bさんは最近ひどいと思う。文句を言いたけれど、言い出しにくい」

など、いろいろなことを日記に書いてくれる。

「そうか。そういう時もあるよ」ってコメントするだけのときもあるけれど、内容によっては、早急に対応することも必要だ。そうでなければせっかく重要な情報を書いてくれたのに、信頼を失うことにもなってしまうからね。

友達に対する困りごとが書かれていたときなどは、誰が書いたということは伏せながら、直接本人と話をすることもある。

例えば
「日記を読んでいたら、君のバスの中での態度が悪いって書いてあったけど、どういうこと?」とストレートに聞いてみる。すると、意外に
「ああ、あれですね」
と認めたりするんだよね。

「『ああ、あれですね』ってすぐ気づいたってことは、自分でも悪いと思ってるんだよね」
「はい……」
「自分でも悪いって分かっているなら、直すのは簡単だよね?」
などといって、指導することもあるよ。

日記に書かれたことを、
クラス全体で話し合うこともある

例えば、クラスの中に、みんなの気持ちを盛り下げるようなことを言う子がいるとき。もしくは発言力の強い子が、常に自分の意見を押し通し、自分の思い通りに事を進めようとするがとき。

「あれはさすがにひどいと思う」「あの子の態度は嫌だけど、それを本人に言えない私もいる」などと、不満がクラスに広がりそうになっている、もしくは友達の言動に対し、どうしたらよいか困っている様子が日記から伝わって来たら、朝の会でさりげなくみんなに話をしたりする。

「最近、クラスみんなで何かを頑張ろうってしているときに、自分が上手くできないと、大騒ぎするなんてことを見かけるけれど、周りのみんなはいい気持ちじゃないかもしれないよね?」などと、問題提起することもある。

ポイントは、できるだけ早めに「日記を読んで気になったから、みんなに言っておくね」と、「みんな」に対して「軽く」伝えること。

それだけでも、該当する子供の自覚を促すことはできる。

もちろん、誰が書いたのかなど、出どころが分かるような発言は絶対にしないことは言うまでもないよね。

いじめにつながりそうな
トラブルが書かれている時

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