学校再開の授業アイデア:モジュール授業と聞く指導【新型コロナ対策】

学校再開に際し、授業をどのように作るかも課題になっています。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、対話や活動を授業のメインにできなくなるという制約がある中、教師の語りでいかに楽しい学びの場を作るか、教師の授業力が問われる年度となりそうです。関西を中心に、学校へアドバイスをされている多賀一郎先生が、今年度の授業づくりのポイントを解説します。
こちらの記事も併せてお読みください→ 学校再開ガイドラインを現場目線で具体的に考える【新型コロナ対策】
執筆/追手門学院小学校講師・多賀一郎

目次
今の子どもたちに合った「一斉授業」とは
しばらくは一斉指導型の授業にしなければならなくなるでしょう。いつ再開して、いつから対話的な授業へ移行できるかもわかりません。長丁場になるだろうとも言われています。この際だから、一斉指導について、考えを深めて技術を高めましょう。
ここ数年、関西を中心にたくさんの現場を回っていますが、圧倒的に若い先生が多いようです。そのため、一斉指導におけるポイントや技術が伝わっていないところがたくさんあります。
また、一斉指導というと、圧力で子どもを制して45分間、黙って聞かせるようなものを連想しがちです。それでは、ストレスフルな子どもたちをさらに追い込んで、学級の荒れにつながりかねません。
今の子どもたちに合った、一斉指導の在り方を考えてみましょう。
モジュール(組み合わせ)型の授業を
一つの課題で45分間の授業をするのは、とても難しいものです。
今の子どもたちが集中できる時間には限界があります。よほど面白いことをしていたり、先生の話術が優れていたりしない限り、高学年でも30分が限界だと思います。一年生では、15分を超えたら、がくんと集中力が落ちます。
僕は、「モジュール型」を提唱しています。
A: 5分 ー B:10分 ー C:30分
A:10分 ー B:10分 ー C:25分
というように、三つくらいの活動に分けるのです。
例えば、次のようにします。
時数の多い2教科について示します。Bについては、いろいろな教科のネタをたくさん用意しておきましょう。
国語科
普段なら音読も入れますが、今回は音読は無しにします。
A パズル、個人で取り組むゲームなど、楽しく学べるもの
書籍などから、たくさんネタをストックしておきましょう。『教室で家庭でめっちゃ楽しく学べる国語のネタ63』(黎明書房)もおすすめです。
B 書写、新出漢字の練習や絵本の読み聞かせ 等
書写の文章は、教科書でも、子どもが喜びそうな別の文章でもよいでしょう。
C 教科書を進める
対話を減らすと教師の語りが増え、短時間でも不足はなくなるでしょう。
算数科
A 計算練習
計算にかかった時間を計測し、教師が答えを言って子どもが自分で採点して、直しは宿題にするとよいでしょう。
B 文章題や算数の頭の体操
書籍などから、算数の時間に使える頭の体操のアイディアをストックしておきましょう。『めっちゃ楽しく学べる算数のネタ73』(黎明書房)もおすすめです。