ボタン一つで学年全員のカレンダーに予定表が届く! GAS × Googleカレンダーで「自動予定共有システム」を実現しよう

GAS (Google Apps Script)という言葉をご存知ですか? GoogleスプレッドシートやGoogleカレンダーといった普段使っているGoogleのサービスを「自動で動かす」プログラミング環境です。このGASを動かすコードを生成AIを活用して作成、教職員はもちろん、子どもたちとも今後の行事等の予定を共有できる「自動予定共有システム」を作る方法を紹介します。今回は記事をご購入いただいた方には、そのままコピーして使える「Googleカレンダー連携スプレッドシート」をプレゼントします。
執筆/鈴木優太(宮城県公立小学校教諭)・大内秀平(宮城県公立小学校教諭)
目次
1 教職員の「予定管理」、本当に大丈夫ですか?
「行事予定表、どこに貼っておいたっけ…」
「他の予定と被っていないかな…」
「学年の予定、子どもたちにも共有しなきゃ…」
先生方のご勤務校で、「予定管理」に関する小さな混乱が起きていないでしょうか。
学校の1年間には、入学式、参観日、運動会、校外学習、研修……と、行事が詰まっています。それを職員室の黒板、印刷した行事予定表、個人のスケジュール帳、子どもへのおたより等、それぞれバラバラなツールで管理している学校は、まだまだたくさんあります。どれが最新版なのかわからなくなったり、急な変更が一部の人にしか伝わっていなかったりする事態が生まれるのも無理はありません。
こうした予定管理の分散をシンプルに解決してくれるのが、Googleカレンダーです。
Googleカレンダーを活用した校務運用を「持続可能」にするために、あるひと工夫を加えます。
「自動化」です。
通称ガス=GAS(Google Apps Script)と呼ばれる機能を使い、面倒な手作業を大幅に減らす環境が実現します。
「Googleカレンダーはなんとなく知っているけど…」という先生こそ、ぜひこの先を読み進めてください。
「プログラミングなんて分からない…」という先生にこそ、今回提案する「自動予定共有システム」づくりに挑戦し、触ってみてほしいです。なぜなら、「自動予定共有システム」は、生成AIにコードを作ってもらい、コピー&ペーストする――本当にただそれだけで完成するからです。
2 なぜGoogleカレンダー? その「二つの価値」
そもそも、なぜGoogleカレンダーなのでしょう。その最大の良さは、まず「先生が楽になる」ことです。
予定を1か所に集約でき,変更があればそれを関係者全員の画面に即座に反映することができます。紙やホワイトボードでは絶対に実現できない、「一元管理」と「自動共有」が強みです。
しかし、それだけではありません。Googleカレンダーには、「子どもたちの学びを変える力がある」と感じています。私たちは子どもたちに、こんな言葉をかけていないでしょうか。
「見通しをもちなさい」
とても大切なことです。しかし、子どもが本当に「見通し」をもてる環境を、私たちは整えているのでしょうか。例えば、連絡帳。日付をその都度書いていくため、先が見えません。見通しというのは、「さえぎるものがなく遠くまで見えること」です。子どもが毎日手にしているツールは、今日や明日のことしか見えない構造になっていませんか?
一方、教員はスケジュール帳や端末などを使って、何週間も先の予定を一覧で確認しながら動いています。子どもたちと教員との間に、スケジュール管理ツールの非対称性が生じているのです。
Googleカレンダーを「学年・学級カレンダー」として整備し、子どもたちと共有すれば、話が変わります。Googleカレンダーは、1日・週・月など表示形式を切り替えられるため、行事や課題の締め切りが「あと何週間先か」を視覚的に把握できるからです。
実際に私のクラスで1年間運用したところ、子どもたちは自分のカレンダーをこんなふうに使い始めました。

茶色い予定は学年共通の行事、赤い予定はクラスの予定、青は委員会活動……。中には、自分で習い事の予定を追加して自己管理している子もいました。
「理科のテストが来週あるから教科書を持って帰ろう」「来週に参観日があるから、今週中にスライドを仕上げよう」と、自らカレンダーを開いて動く姿が生まれたのです。
先生の仕事が楽になり、子どもの自己管理力を育てる土台にもなる――。Googleカレンダーを学校で運用する価値は、まさにここにあるのだと感じています。
3 ボタン一つで一斉反映!「自動化」の完成形
「それは素晴らしい!さっそく始めよう」
そう思った先生、ちょっと待ってください。実は、Googleカレンダーへの共有設定は、一筋縄ではいきません。予定を一つひとつ入力し、「誰に共有するか」を毎回手動で設定する必要があるからです。年間行事が数十件あれば、それだけでまた時間が溶けていきます。
「良いことだとわかっているのに、手間がかかりすぎて続かない…」
──これこそが、多くの学校でGoogleカレンダーが定着しない最大の理由です。
だからこそ、「持続可能」にするためのひと工夫が必要です。
ガス=GAS (Google Apps Script)を活用します。
まず、設定を終えた後の完成形をお見せします。このシステムで一体何が起きるのか、見通しをつかんでください。
Googleスプレッドシートに予定を入力します。上部のメニューから「カレンダー連携」ボタンをクリックします。
そして、Googleカレンダーを開いてみてください。
わずか数秒。驚くべきことに、入学式、1年生を迎える会、遠足、参観日、運動会……。スプレッドシートに並んでいたすべての行事が、カレンダーの正しい日付に、一瞬にして反映されています。しかも、学年の先生全員と、クラスの子どもたち全員の画面に、同時に、そして自動で、です。
「えっ、本当に全部入ったの?」
拍子抜けするくらいあっけなく終わります。これがこのシステムの完成形です。
では、この仕組みをどうやって作るのか。順を追ってご説明します。
4 プログラミング不要! GASが叶える「あったらいいな」
GAS (Google Apps Script)という言葉を、初めて聞く先生も多いかもしれません。GoogleスプレッドシートやGoogleカレンダーといった、普段使っているGoogleのサービスを「自動で動かす」プログラミング環境です。
プログラミングと聞くと身構えてしまいますよね。しかし、ご安心ください。実はGASのコードは生成AIがすべて書いてくれます。AIの言葉を一番よく理解しているのは,AI自身です。みんなの教育技術ではお馴染みとなった「メタプロンプト」の発想です。私たちがやることは、「こんなシステムがあったらいいな」という要望を、日本語でそのまま伝えることだけです。
感覚としては、ドラえもんに「秘密道具を出して!」とねだる、あの感じです。そして、その頼もしいドラえもん役を務めてくれるのが生成AIなのです。
例えば、Googleの生成AIであるGeminiに、このように伝えてみましょう。
「スプレッドシートに入力した予定がワンクリックでGoogleカレンダーに反映されるシステムを作ってほしい。そのとき、特定のグループへの共有設定も入れてほしい。」
これだけで、Geminiは「GASのコード」と、「使うべきスプレッドシートの形式」をセットで提示してくれます。プログラミングの専門知識は一切不要です。
「こうしてほしい」を言語化するだけ。
たったこれだけの指示で、あっという間にシステムができあがってしまいます。もちろん、理想の形に近づけるために、何度か壁打ち(やり取り)を重ねていくことも大切です。GASのスクリプトを設定する方法が分からなくても、「どうやって設定すればいい?」と尋ねれば、AIが手順を一つひとつ丁寧に教えてくれます。
5 コードは「コピペ」するだけ
では、実際に作成したコードを基に、具体的な作り方の手順を説明します。
① 作成したスプレッドシートを開いた状態で、上部メニューの「拡張機能」→「Apps Script」をクリックする。
② スクリプトエディタ(別画面)が開いたら、最初から書かれているコードをすべて削除し、Geminiが生成したコード(または以下のコード)をそのままコピー&ペーストする。

③ 「保存」ボタン(フロッピーディスクのアイコン)をクリックする。
④ 「実行」ボタン(▶)をクリックする。
⑤ 初回のみ、Googleアカウントの「許可」を求めるダイアログが表示されるので、画面の指示に従って「許可」をクリックする。
これで、「自動予定共有システム」の準備が整いました。
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鈴木優太(すずき・ゆうた)先生プロフィール
宮城県公立小学校教諭。1985年生まれ。2013年より教育サークル縁太会を主宰し、アイデアに富む教育実践と学びの場づくりに定評がある。最近著に『クラス全員が「聞ける」「話せる」!ペア活動図鑑100』(学陽書房・3月31日発売予定)があり、『教室ギア55』(東洋館出版社)、『「日常アレンジ」大全』(明治図書出版)はベストセラーを記録。みんなの教育技術では5年にわたり連載を担当、現在は『「個」も「集団」も育つ 学級経営&授業アイデア』を連載中。
大内 秀平(おおうち・しゅうへい)先生プロフィール
宮城県公立小学校教諭。1994年生まれ。文部科学省の在外教育施設派遣として、シンガポール日本人学校に3年間勤務。探究的な学びを軸に、総合的な学習の時間やICTを活用した授業づくりに取り組んでいる。Google認定教育者。共著に紺野 悟・大野睦仁/編著『どの教科でも通用する授業づくりのワザだけ集めました。』(明治図書出版)、阿部隆幸/編著『学級経営DX 60のエピソードで示すデジタル活用の実践』(学事出版)などがある。
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