1時間2教材で授業を行う際に気をつけなければならないことは何ですか? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #102】

複数教材を組み合わせて授業を行う際に、決まりは特にありません。次の4つの点に気をつけながらやってみましょう。
①簡単手軽な授業
②きっちり半分の時間ではない
③単元のはじめをずらす
④思考場面をずらす
執筆/筑波大学附属小学校教諭・眞榮里耕太
監修/筑波大学附属小学校教諭
体育授業研鑽会代表
筑波学校体育研究会理事・平川 譲
目次
① 簡単手軽な授業
教室で行う授業と違って、体育は体育館や運動場に移動する必要があります。移動した先でも、用具や道具の準備・片付けといった手間がかかります。これらのことから、体育授業に対してネガティブな印象をもつ先生が多くいらっしゃいます。
さらに個人差に対応しようと様々な場を設定すると、準備や片付けがより一層大変になってしまいます。このような学習の場が多い教材を、1時間に複数扱うとなると、さらに心理的なハードルが高くなります。この負担感を減らすためにも、授業の準備や片付けの手間をできるだけ軽減しておく必要があります。
1時間2教材の授業には<#101>で解説したようなメリットがあります。このメリットを最大限に享受するために、簡単手軽な授業という視点で考えてみます。
1時間2教材の授業を実践してみようとした時、2つの教材について教材研究をしなければならないことに負担を感じる場合があるようです。確かに、2つの教材の準備をすることは大変です。ただ、一度計画を立ててしまえば、通常の倍の期間取り組むことになるので、長い目でみると負担はそれほど変わりません。また、1回に取り組む時間が短いので、より “スモール” なステップで授業を進めていくことができます。その中で計画と子どもたちの実態が乖離するようなことがあれば、取り組む期間が長い分だけ、軌道修正がしやすいともいえます。
公開授業の授業協議会の場で、1時間2教材の授業について質問を受けることがあります。
その一つが、前半の教材と後半の教材の関係性についてです。組み合わせている教材に関係性はあまりありません。全く違う領域のものでも構いません。
1例を挙げれば、鉄棒運動と陸上運動といった組み合わせです。子どもたちの心理的な問題として「45分間鉄棒は嫌だなぁ。でもちょっとだけなら頑張れそう」といった安心感がもてたり、「後半のボール運動があるから前半の運動もがんばろう」と意欲を継続させることができたりします。
1時間2教材の授業に詳細な決まりはありません。ただし、2教材にすることで教師も子どもにも負担がかかるようでしたら避けた方がいいでしょう。
例えば、準備や片付けの手間がかかる教材同士の組み合わせはおすすめできません。2教材分の準備や片付けで、肝心の運動学習の時間が短くなってしまうからです。どうしても準備物が多くなってしまう教材は、手間がかからないもの(固定施設や短なわとび・長なわとびなど)と組み合わせるとよいでしょう。
② きっちり半分の時間ではない
1時間2教材で取り組んでいると、1回の授業の時間配分についても質問を受けます。「2つの教材の時間配分はどうなっていますか」。一見するとどちらも同じ時間のように思えますが、その日の学習内容によって取り組む時間の長さが変わります。2つの教材が同じ時間でできることもあれば、どちらかが長くなることもあります。時には、予定通りにいかず長引いてしまうこともあります。特にボール運動は、勝敗や判定を巡る確認や話合いが長くなってしまうことが多くなります。このような場合には、軌道修正をしながら授業を進めていきましょう。
ただし、同じ場所(運動場や体育館)を複数の学級が使用する場合には、場所や用具を交代する必要がありますので、授業が始まる前に、授業者同士で時間の打ち合わせをしておくとよいでしょう。
