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【休校】オンライン授業に挑戦したYouTuber教師の提言

2020/3/16

突然の臨時休校によって、行う予定だった授業ができなかったという先生も多いのではないでしょうか。
そんな時、いろいろな条件が揃えば、「オンライン授業」という選択もできるのかもしれません。選択肢の一つとして今こそ考えてみたい、YouTuber教師・深見太一先生からの提言です。

執筆/愛知県公立小学校教諭・深見太一

Image by Tymon Oziemblewski from Pixabay

「先生がこんなことしている」と、ほっこりしてほしい

臨時休校が決まった時、正直私は授業でやるべきところはほとんど終わっていました。
でも、家でゲーム三昧になってしまうであろう子どもたちに向けて、少しでも新学年に進級した時に困らないようなことをしてもらいたいと考えました。

「とある男が授業をしてみた」というYouTubeチャンネルを知っていますか?

中高生から絶大な人気を得ているチャンネルで、塾に通えない子たちがこの動画を見て勉強をしたりしているそうです。

そこにヒントを得て、今年度のまとめとしてYouTubeを使ってオンライン授業を配信しようと考えました。

社会科の都道府県の覚え方や、思考力をつける算数の問題など、この3月中にチャレンジしてほしい学習内容を配信しています。

あとは、子どもが「あ、先生がこんなことやっている」と、ほっこりしてくれることが大切だと思っています。

保護者からも大変好評で、子どもたちも苦手な日本語で一生懸命コメントをくれるなど(私のクラスは、日本語が苦手な外国籍の子どもが7割を占めます)、嬉しい反応が来ています。

そもそもなぜYouTubeをやろうと思ったのか

こうしたオンライン授業をスムーズにすることができているのも、もともとYouTubeで発信をしていたからです。

YouTubeを始めたのは、約1年前でした。すでにYoutubeで配信を始めている先生仲間と出会ったのがきっかけで、それから1年間「先生たちを勇気づけたい」というミッションをもって発信を続けていました。

なぜ先生たちを勇気づけたいと思ったのか。それは本来素敵であるはずの教員という仕事、教育大学に先生を志して進んできた学生たちが、仕事がブラックすぎて一般企業へ就職している事実や、教員採用試験の倍率の著しい低下をTwitterなどで知り、これは子どもたちにとって悪い影響しかないと感じたからです。

教師がYouTubeをやって大丈夫なのか?

Youtubeと聞くと、ヒカキンさんなどのように面白い動画を作って大金を稼いでいるイメージがあると思いますが、現在は教育系YouTuberというジャンルも確立されています。有名なところでいうと中田敦彦さんやDaiGoさんなど。動画を見ながら学ぶという人も多くなってきています。

公務員は副業禁止なのに大丈夫ですか? とよく聞かれますが、YouTubeの規定によりチャンネル登録が1000人以上、年間の動画再生時間が4000時間を超えなければ広告は入れられないことになっています。

私の場合で言うと、チャンネル登録は1162人(2020年3月現在)、動画再生時間も1500時間と200本近く動画をアップしてもまだ規定はクリアしていません。なのでよほどクオリティの高い動画を作ったり、見る人から賛同を得ない限りは収入は発生しないのです。

そしてもう一つ、規定をクリアしても広告を入れるかどうかを選ぶことができるので、公務員である場合は入れないを選択すればよいのです。

管理職から許可を得られるのか?

もう一つ、よく聞かれるのは管理職からの許可を得られるかということです。
私の場合は、新聞や著書でYouTubeについても紹介される機会があったので、管理職にチャンネルの存在を伝えましたが、基本的には、ブログやフェイスブックに投稿するのと同じ感覚で発信すればよいことだと思っています。

もちろん、子どもの個人情報に関わることなどは発信しないなど、注意するポイントはありますが、それはブログやフェイスブックでも同じことで、YouTubeだけが特別ではありません。

見たい人が見たい時に見てくれたらいい

2020年になってから、YouTube初任研シリーズを20本アップしました。4月から教壇に立つ学生たちが少しでも不安が軽くなるよう、授業の作り方・保護者応対・電話対応・連絡帳の書き方などなど本当に初歩的なことを5分~10分程度の動画で学べるようにまとめています。

前任校で勤務時間を過ぎてから、若手の先生たちを集めて自主研修を月に1度行っていましたが、喜んで受けてくれる先生もいれば、ひょっとすると付き合いで参加してくれている先生もいるのではと感じたことがあります。こちらが良かれと思ってやっていることでも、相手にとってみればありがた迷惑である場合は往々にしてあります。

YouTubeはその点、見る人の自由を制限しないツールだと言えます。

YouTubeは誰にでも見つけてもらいやすいツール

現在、学校が休校になったことで、たくさんの企業が無償でサービスを提供してくれています。

しかし、全ての子どもたちがその情報にアクセスできるとは限りません。

私の勤務校は7割が外国籍の子であり、日本語の情報は読むことができない保護者も多いのです。

私のクラスでは、YouTubeを日常的に使っており、私のチャンネルである「たいち先生」の存在もほとんどの子が知っています。だから、確実に子どもと繋がれるというメリットがあります。

初めてのことをする時には、うまくいかないことも多いものです。私のオンライン授業も、はじめはリアルタイム配信にしようと考えていたのですが、学校現場には様々な考えがあり、それはできないことになりました。それでも、一歩踏み出すきっかけになったと考えています。

今回の臨時休校を受け、今後もこのような事態を想定して普段からオンライン授業について考えるきっかけになればと思っています。

もちろん、その時の状況によっての判断になりますが、例えば、Zoom(オンラインビデオ会議のサービス)を使って、学校をお休みしている子と回線をつないでみるというのも一つの選択肢です。

セキュリティ面で注意しなくてはならない部分など、課題はありますが、システムが整うのを待つのではなくて、教師がいざという時に使えるスキルを身につけておく、安全な範囲で試してみる。そこから考えてみる。

そういう姿勢も、これからの学校教育には必要なのではないかと私は思います。

深見太一先生

1981年生まれ。愛知県公立小学校勤務。3児の父。クラス会議講師として、全国各地で講座を多数開催。著書に『対話でみんながまとまる!たいち先生のクラス会議』(学陽書房)。TwitterやYouTubeでは「たいち先生」として実践を発信し続けている。

■「たいち先生 日本中の先生を勇気づけたい」→https://www.youtube.com/channel/UCqAx7hPjsI2mFe4MlzwPwuw

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