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【小6・社会「新しい文化と学問」】[第1回]自己調整の学びを支える授業準備と学習環境の設計〈デジタル×深い学び〉

連載
「デジタル×深い学び」の授業デザインReport

板橋区立志村小学校では、高学年のめざす子供の姿として「自らの興味・関心に合わせた課題を設定し、学習計画を立て、学びを深めたり広げたりできる児童」を掲げています。
2025年11月に行われた小学6年生の研究授業では、そのめざす姿に向かう一つの段階として、「子供が自分に合った学び方を選びながら学習を進める授業」が実践されました。授業当日の学びを支えていたのは、事前の準備と学習環境の設計。第1回では、児童の実態を踏まえながら、本橋寛之教諭がどのような意図で準備を進めたのか、その工夫を紹介します。

この記事は、連続企画『「デジタル×深い学び」の授業デザインReport』の33回目です。記事一覧はこちら

東京都板橋区立志村小学校

学校目標は「共に生きる」。校内研究では「共学共創」を研究理念に掲げ、「志村小アドバンス学習」を推進。学びに向かう力を育て、学び合いを通して確かな学力の育成をめざすとともに、個別最適で協働的な学びや自由進度学習のグランドデザインづくりに取り組んでいます。

6年生の実態を踏まえ、
授業の土台を整える

研究授業の授業準備にあたり、本橋教諭は6年生を対象に学習に関するアンケートを実施しました。その結果、「学ぶこと」への前向きさが見られる一方で、学習を自分で調整したり、学びを深めたり広げたりする段階には個人差があることがうかがえたといいます。

つまずき方は子供によって様々で、学びを深める視点を持ちにくい子供もいれば、考えを言葉にして整理したり共有したりすることに課題がある子供もいました。また、筆記や整理が負担となり、学習の進め方そのものに迷いが生じるケースもあります。こうした実態を踏まえ、本橋教諭は「学び方を任せる」のではなく、子供が安心して選び取れる土台を先に整えることを重視しました。

学び方を「任せる」のではなく、
「選べる」ように授業をデザインする

子供が自分に合った学び方を選びながら学習を進めるためには、学習の進め方を子供に委ねるだけでは成り立ちません。そこで本橋先生は、子供が選択できる場面や内容を具体化し、授業の流れの中にあらかじめ位置づけました。

例えば、学習内容の進め方を一律にそろえるのではなく、理解や関心に応じて学ぶ順番やペースを調整できるように授業を計画。また、「1人で考える」「友達と相談する」といった学び方の選択肢を用意し、必要に応じて学びを深められるようにしました。

学習形態のアドバンスとは、学ぶ内容や順番、方法を一定の枠の中で子供自身が選びながら進める学習で、一般に言われる自由進度学習を研究理念に基づいて位置づけたものです。

選択できる場面とその内容
●学習内容の順番…単元指導計画の中で、取り組む内容の順序や、各内容にかける時間を調整できます。
●学ぶ相手…「自分で学習する時間」と「他者と協働して学習する時間」を選べます。
●教科書・ワークシートの形式…教科書とワークシートの紙で取り組むか、Googleスライドを用いたデジタル形式で取り組むかを選べます。
●参照する資料…教科書に加え、動画URLやWebページ、図書資料など、複数の情報源を活用できます。

「もっと知りたい!」を引き出す、
学びの入り口の仕掛け

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