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子供が主役の授業とは?「教師という仕事が10倍楽しくなるヒント」きっとおもしろい発見がある! #33

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教師という仕事が10倍楽しくなるヒント~きっとおもしろい発見がある!~
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帝京平成大学教授

吉藤玲子
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「教師という仕事が10倍楽しくなるヒント」の33回目のテーマは、「子供が主役の授業とは?」です。タブレット端末が小学校に導入され、ICTを活用した授業が一般的になってきました。次期学習指導要領改訂に向けて、「自由進度学習」「自由選択学習」が話題になっています。時代によって様々なことが変化しても、授業の肝は不変です。初心に戻って、授業を考えるためのヒントをお届けします。

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執筆/吉藤玲子(よしふじれいこ)
帝京平成大学教授。1961年、東京都生まれ。日本女子大学卒業後、小学校教員・校長としての経歴を含め、38年間、東京都の教育活動に携わる。専門は社会科教育。学級経営の傍ら、文部科学省「中央教育審議会教育課程部社会科」審議員等、様々な委員を兼務。校長になってからは、女性初の全国小学校社会科研究協議会会長、東京都小学校社会科研究会会長職を担う。2022年から現職。現在、小学校の教員を目指す学生を教えている。学校経営、社会科に関わる文献等著書多数。現在、日本・中国・韓国の初等教育において、異文化理解教育の推進に関する実践と研究にも携わっている。

授業で何が大切なのか

次期学習指導要領の改訂への動きがある中で、「自由進度」「自由選択」という言葉が今、学校現場で話題になっています。研究授業などの講師で学校現場に行くと、以前より子供たちが多種多様な活動をしている場面をよく目にします。それはよいことなのですが、主体的に活動しているように見えて、時間内に調べ活動が終わらなかったり、本時の課題追究に迫っていなかったりすることがあります。

個別最適な学びということで、個々の子供たちの学びを促すためにこのような自由進度や選択などの場面が設けられるようになったのですが、実際は、授業についていけず何もしていない子供がいたり、課題のある子供の質問に先生が振り回されてしまったり、考えさせられる活動が見られることもあります。

新しい試みをすることには大いに賛成です。しかし、授業としてその1時間はどうであったか、その単元構成はきちんとできていたかなど、振り返ることが大切です。単なる方法論で終わってしまわないためにも、授業を振り返り、改善する姿勢が欠かせません。

今回は、初心に戻って、「授業って何が大切なのか」を考えてみたいと思います。

授業を見直すイラスト

授業の主役は子供

「授業の主役は子供」こんなことはあえて言う必要はないと思います。ところが、先日「今日の授業はおもしろかったね。次は、建物の移り変わりについて調べようね。楽しみだね」と授業の最後の感想をすべて教師が言ってしまっている授業を見ました。子供のほうから、「先生、今日の授業は楽しかった!」「次、何やるの?」そういう言葉が出てほしいものです。研究授業中に子供が教室の時計で授業の終わる時間を見ている姿を見かけるときがあります。毎時間の授業を全力投球で行っていては疲れてしまいますが、研究授業では子供たちが主体的に学ぶ授業を目指していきたいものです。

では、どうしたらよいのでしょうか。教師が教材研究を極めればよいのでしょうか。皆さんの中には、自分は時間をかけてとても主体的に取り組んだのに、今一つ子供が乗ってこない授業になってしまったという経験がある人はいませんか。

教師が一生懸命に教材研究や資料集めをしていても、そこに子供の発想や思考の予想が不在の場合は、授業は思ったようにはいかないのです。35人すべての子供の様子を予想するのは難しくても、いちばん優秀だと思われる子供、平均的な段階の子供、理解がいろいろと困難な子供の3ケースぐらいの子供を抽出して、その子供たちがこの授業の中のこの学習でどのような理解をしていくか予想を立てていくことが大切です。見通しをもった授業を組み立てることができれば、おのずと子供が主役の授業に近付きます。本時のねらいを達成するためにどのような授業デザインが必要か、単元を通して流れを考えることも必要でしょう。

何のための選択か

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