小6国語「十二歳の主張」【板書の技術】

今回の教材は、「十二歳の主張」です。本単元の目標は、「説得力のある文章を書こう」になります。そのため、説得力のある文章を書くという見通しをもち、「学習計画」を考えること、構成を考えることなどを支える板書のアイデアを紹介します。
監修/元京都女子大学教授 元同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/埼玉県公立学校教諭・伊藤和代(野っ原詩の会)
単元名|説得力のある文章を書こう
教材名|「十二歳の主張」(教育出版)
目次
単元の計画(全7時間)
- 活動の見通しをもつ。
- 題材を決める。
①身のまわりで気になっていることを、グループで出し合う。
②意見文に書きたい題材を決める。 - 題材に関することを取材して、情報を集める。
①題材について主張したいことを考える。 - 集めた材料から主張の理由・事例として適切なものを選び、伝えたいことが明確になるように構成を考える。
①意見文の構成を考える。
②例文を参考に構成表にまとめる。 - 構成表をもとに、意見文を書く。
- 意見文を読み返す。
- 友達と読み合って、感想を交流する。
板書の基本
説得力のある文章を書くという見通しをもち、「学習計画」を考える板書
現在の6年生は、5年生の「白神山地」の学習で自然保護の観点から意見文を書く学習をしています。6年生では、自分なりの「題材」を見付け、「題材」に対する自分の主張をもつことが求められています。そこで、主張とは「自分の意見や考えを述べ、賛同を求めること。」と板書し、言葉の意味を確認します。賛同を得るための表現の工夫をした意見文を書くことという学習活動を進めます。
1/7時間目では、意見文を書いたことを思い出しながら、子供から出てきた言葉「題材を決めよう。」「情報を集める。」「文のつくり(構成)を考える。」を板書していきます。また、「題材」を探すために、学習活動の多様化を考えて、AIを活用することもあります。
最後に意見文を書くために「大事なこと」と板書し、「説得力のある表現」「自分の体験」「書き出しの工夫」など子供から出てきた言葉を板書していきます。特に、「自分の体験」のところでは、「AIに聞いたら……」と矢印で結び、「AIにできないこと」の内容であることを伝え、大事なことであることを確認します。
学習活動の順番を考えながら、板書していくことで、今後の活動の流れと内容を分かるようにしていくことがねらいです。
自分の主張を効果的に伝える構成が分かる板書
5年生までの学習で、意見文を書くときは、「序論」「本論」「結論」の構成で書くことを学習しています。6年生では、より説得力のある主張を伝えるための構成を学んでいきます。「本論」の中に、「予想される反論」とそれについての「自分の考え」を書くことで、自分の主張をより効果的に伝える文章構成を学習していきます。
4/7時間目では、黒板を縦に3分割した表を書きます。表は2段に分けます。上段に「序論」「本論」「結論」と板書します。「本論」の表をさらに2分割し、左側に「反論」と板書します。「反論」の下に「予想される反対意見」と「反対意見に対する自分の考え」と板書します。
はじめに提示した例文をもとに、構成表の下段に内容を板書していきます。本文を書く手助けをしていく板書となるように例文(教師自作)を読みながら板書していきます。
構成表を書くことで自分の主張が説得力をもったものになるように、例文を使って確認していきます。
