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学級通信を発行するわけとは?【伸びる教師 伸びない教師 第59回】

連載
伸びる教師 伸びない教師
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栃木県公立小学校校長

平塚昭仁
第59回 伸びる教師 伸びない教師
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豊富な経験によって培った視点で捉えた、伸びる教師と伸びない教師の違いを具体的な場面を通してお届けする人気連載。今回のテーマは、「学級通信を発行するわけとは?」です。学級通信はなぜ発行するのでしょうか。先生方はその理由を考えられたことがありますか。教室で日々生まれる小さなドラマ、そして感動を伝えるために学級通信を発行するという話をお届けします。

執筆
平塚昭仁(ひらつか・あきひと)

栃木県公立小学校校長。
2008年に体育科教科担任として宇都宮大学教育学部附属小学校に赴任。体育方法研究会会長。運動が苦手な子も体育が好きになる授業づくりに取り組む。2018年度から2年間、同校副校長を務める。2020年度から現職。主著『新任教師のしごと 体育科授業の基礎基本』(小学館)。

伸びる教師は学級通信で教室で生まれたドラマを伝え、伸びない教師は学級通信で自分の教育論を語る

学級通信で日々の出来事、子供のよさを紹介

私は担任をしていたとき、毎年のように学級通信を発⾏していました。憧れていた先輩の学級通信を読み、⾃分もこんな通信を書いてみたいと思ったのがきっかけでした。
内容については、その先輩から「学級通信では⾃分の教育論を語りたがる教師が多いが、それはただの⾃⼰満⾜になってしまう。⽇々の出来事、⼦供たちのよさを紹介し、それにちょっとだけ⾃分が感じたことを付け⾜すくらいがちょうどいい」と教えられました。その教えを守り、授業や⼦供の様⼦を中⼼に書いていました。
当時は、学級通信を通して⼦供たちの成⻑が保護者に伝わり、学級全体や⼦供が変わったと感じることが多くありました。保護者の中には、感想を届けてくださる⽅もいました。
ただ、ちょっと前にこれまでの学級通信を読み返したとき、⾃分の乱暴な書き振りに驚きました。もう少し他に書き⽅はないのかと今更ながら反省しましたが、学級であった出来事を必死で伝えようとしている感じだけは伝わってきました。当時の保護者がそんな若い教師を温かい⽬で⾒守ってくれていたことに改めて感謝しました。

毎日発行した学級通信

発⾏は、ほとんどの年が週1〜2回程度でしたが、毎⽇発⾏することにチャレンジした年もありました。意地になって1年間毎⽇書きましたが、発⾏に追われる⽇々が続きました。
当時は、⾃分のこだわりで写真は載せず⽂字だけでの通信でしたので⽂量も多く、1号書くのに1時間以上かかっていました。他の仕事もしなければいけないので、寝る時間を削って書いていたことを思い出します。
なぜそこまでして学級通信を書いていたのか、⾃分でも答えが出ないままでいました。ただ、何かを伝えたかったのだと思います。それが何なのか、ある学級通信の最後の号を読み返したときに分かった気がしました。

学級通信イメージ

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