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まずは“授業の基本”をしっかり押さえよう——生徒の理解を助ける授業の工夫①<中高教員の実務>

連載
中高教員の実務

創価大学大学院教職研究科教授

宮崎 猛

文京学院大学名誉教授

小泉博明

授業においては、決まりをつくって守らせることや、分かりやすい授業をつくることで、生徒の期待に応えることが大切。日々、授業を振り返ることも重要です。

編著/小泉博明・宮崎 猛

【特集】中学校・高校教師 実務のすべて#35

一生懸命やっているつもりなのですが、生徒の授業理解がイマイチで、自分の実力不足を痛感……。どうすればよい授業ができますか?

学問同様、よい授業にも王道なし。教師が生涯をかけて追い求めるテーマでもあります。ただ、知らないうちに授業の基本がおろそかになっている可能性も……。自分の授業を再点検してみましょう。

授業の基本① 決まりをつくり守らせる

授業は教師と生徒、生徒と生徒のコミュニケーションが命。これらが成立していないと、よい授業にはなりません。そのために必要なことは、まず授業の決まり(=約束事)を明確にすることです。

学年初めの授業で、授業の決まりを生徒に伝えましょう。ポイントは、あまりたくさんの決まりをつくらず、絶対に守らせたい“ これだけは” という決まりに絞って、確実に守らせることです。

決まりの例

●授業が始まったら余計なものを片付けさせる
●立って発言する、などの授業中のルールを決める
●はじめとおわりのあいさつをきちんとする
●ケータイ、スマホの決まりを守らせる
●教科書は必ず持ち帰らせる

授業の基本② 分かりやすい授業をつくる

表面上の態度はどうであれ、どんな子供でも「分かりたい」「できるようになりたい」と思っているものです。教師として、その子供たちの思いをしっかり受け止めること、そして、そんな子供たちの期待を裏切らない授業をすることが大切です。日々、自らの授業を振り返りましょう。

教科の専門性を磨く

一流の人の話は分かりやすく、面白いと言われます。授業も同じです。自分の教科に対する高い専門性をもっていることで、直接その見識を吐露せずとも、授業に奥行きや広がりが出るのは必然です。

そして、何よりも教師が学び続け、自己更新していくことで、教師自身が感得する発見や驚き、喜びが授業に反映していくことでしょう。まさにソクラテスの言う「シビレエイ」(自分がしびれていなければ、相手をしびれさせることができない)のたとえのとおりです。「中学生相手だから」と侮ることなく、専門性を磨き続けましょう。

教材開発力を磨く

教師は生徒の学びをプロデュースするプロです。そのためには教える内容と教える対象を熟知し、それを橋渡しする必要があります。橋渡しが教材開発ということもできます。

生徒の実態、興味・関心を踏まえる

生徒の実態を知るために授業内だけではなく、普段の観察や関わりも重要です

イラスト/タバタノリコ・イワイヨリヨシ

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