学級通信をどう活用する?②<中高教員の実務>
- 連載
- 中高教員の実務


どのような学級通信を作成するのか、新任教師にとって戸惑いはつきものです。先輩教師や管理職など、様々な方々に見てもらいながら作りはじめましょう。
編著/小泉博明・宮崎 猛
【特集】中学校・高校教師 実務のすべて#16
学級通信を作りはじめたいけど、どんな内容を入れて作っていけばいいの?
まずは先輩教師の実物例を参考にして学級通信を作っていきましょう。そして、作成したら管理職の方に確認してもらうとよいでしょう。自由スペースに教師のエッセイを載せたりするなどもおすすめです。
目次
学級通信のアイデア
毎年のように海外旅行をしている英語の教師がいます。その教師は、海外で体験した出来事を旅行記として、学級通信の裏面に連載しました。自らの異文化体験をつづることによって、生徒一人ひとりが世界観・価値観を広げ、国際人として豊かな人生を歩んでほしい、いつか両親やお世話になった人を海外旅行に連れて行ってあげてほしい、そのような願いを込めて書きつづったそうです。
新聞小説やテレビドラマ、マンガなどと同じように、連載ものは続きが気になるものです。学級通信の発行日には、家族が奪い合うように学級通信を読むという家庭もあったといいます。中学・高校になると、書類に目を通さない保護者が多くなる傾向がありますが、興味をもってもらえそうな工夫を凝らすことも重要です。

自分が変われば子供も変わる
学級通信を毎週欠かさず書き続けることは簡単ではありません。たくさんの資料や本に目を通し、調べて書くこともあるでしょう。
学級通信を発行することのよさは、「子供たちが見え、学級が見え、自分が見える」ことにあります。学級通信をつづることで、毎週自分の教育実践を振り返り、見つめ直しながら、自分に問いかける作業ができます。自分自身が変革して成長することによって、子供たちの内発性が感化され、変革されていくことになるのです。
子供にとっての最大の教育環境は教師自身です。子供たちの成長に貢献できる教師になれるよう、常に自己を磨いていきたいものです。
どのような学級通信にしたらよいか迷ったときは、先輩教師の実物例を収集し、参考にしましょう。また、最初だけ頻繁に出して、すぐに息切れしては本末転倒。無理せず、定期的に発行することが長く続ける秘訣です。なお、学級通信も学校が外部に対して発信する正式な文書です。人権上の問題や字句の誤りを防ぐためにも、作成したら必ず管理職に確認してもらいましょう。原則として学級通信の発行前には、管理職の確認が必要となります。

学級通信はこう作る!
すぐに使える学級通信の実物例です。作り方のポイントをひとつずつおさえておきましょう。
イラスト/タバタノリコ・畠山きょうこ