小6国語「パネルディスカッション―地域の防災」板書の技術

今回の教材は、「パネルディスカッション―地域の防災」です。本単元の目標は、「立場を明確にして主張しよう」になります。そのため、パネルディスカッションについての理解を深める、教科書の内容と例文を活用し、各自の主張をまとめられるようにするなど、自分たちでパネルディスカッションができるようにする板書の工夫を紹介します。
監修/元京都女子大学教授
元同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/埼玉県公立学校教諭・新藤美和子(野っ原詩の会)
単元名 立場を明確にして主張しよう
教材名 「パネルディスカッション―地域の防災」(教育出版)
目次
単元の計画(全6時間)
第1次 立場を明確にして、話し合うことについて考え、学習の見通しをもつ。
1 単元名やリード文を読み、立場を明確にして話し合うことについて考え、パネルディスカッションの意図と進め方を知り、学習の見通しをもつ。
第2次 立場を決め、詳しく調べ、集めた情報をもとに主張を組み立てる。
2 教科書の[進め方]を読み、パネリストの主張の特徴についてまとめる。
3 自分たちで話し合うテーマを設定し、テーマに対して調べる観点と立場から、情報を集める。
4 集めた情報を整理し、自分たちの主張をまとめる。
第3次 パネルディスカッションを行い、感想を伝え合う。
5 司会者とパネリストを決め、フロアの役割を確認する。
6 感想を伝え合い、学習を振り返る。
板書の基本
〇パネルディスカッションについての理解が深められる板書
パネルディスカッションの指導で大切なことが次の2つあります。1つ目は、司会者、パネリスト、フロアの役割を理解することです。そのために視覚的に捉えやすくするための板書にすることです。2つ目は、考えを深めていくという話し合いであるかどうか、学習活動の過程が理解できる板書にすることです。相違点を分かるようにすることで、新しく学習するパネルディスカッションの話し合いの形態を理解していくようにします。
〇教科書の内容から主張を組み立て、見方・考え方を深められる板書
教科書では、パネルディスカッションの「進め方」を「論題」「観点」「資料」について事例を示しています。教科書を活用して、主張のためにどのような資料を使っているかを読み取ります。パネリストの立場の違いが分かるように、事例の名前を板書し、その下にそれぞれの主張の「観点」を書くことで、話し合いの仕組みを視覚的に捉えさせます。さらにその下段にそれぞれの主張の中から具体例や資料の活用を板書し、実際のパネルディスカッションでも資料の活用が大切であることを印象付けます。
パネルディスカッションの形式に合わせ、「第一発言」「第二発言」「第三発言」の進め方を確認します。教科書の内容と例文を活用し、各自の主張をまとめられるように表にまとめていきます。自分がパネリストとして発表する準備にもこの表を使い、実際のパネルディスカッションに生かせるようにしていきます。
最後のパネリストのまとめ「他のパネリストやフロアの意見を聞いて……」を確認し、パネルディスカッションの話し合いのよさは、自分の主張が深まることであると気付かせることを意識した板書にします。
また、表の中に「使ってみよう!」として、質疑応答のときに使うとよい表現を掲示し、活用したい表現を印象付けます。パネリストの話し方の特徴(伝聞の言い方)を画用紙に書き、掲示することで話し方の工夫にもつなげていきます。