教員の働き方改革の問題点は自身のスケジュール管理だった!?
気がつけば職員室の窓の外は真っ暗…。目の前にある仕事を手当たり次第、計画性なく取りかかっていたら、どんどん時間はなくなります。そんな毎日を脱却できる、「教師のためのスケジュール管理術」の紹介です。
執筆/大阪府公立小学校教諭・浅野学

目次
その日行う業務の選び方
学校の先生はとにかく忙しい。その忙しさの要因は「余白の無さ」にあります。
8時過ぎには児童は登校を始め、8時30分には始業。そこから、児童が下校する15時30分ごろまでは授業が立て続けにあります。学級担任制度の小学校には、いわゆる「空きコマ」という時間はほとんどありません。
高学年になれば専科の先生がいることもあり、担任の先生にも数時間程度の空きコマがあることもありますが、その時間でさえ、宿題点検で無くなってしまうことがほとんどです。
ちなみに15時30分以降は、会議や打ち合わせ、研修などが設定されていることが多く、「気が付いたら定時になっている」という日々を過ごしている先生も多いことでしょう。
多くの先生は、ここから教材研究や授業準備、テストの丸付けに取り掛かることになるので、学校の先生というのは基本的に残業になってしまう構造を持つ職業なのです。
さて、そうした中でのスケジュール管理術において、最初に意識すべき点は当然、「業務内容の削減」になります。しかし、「何を削るか」を考えていては終わりません。現状の業務の全てがあなたにとって削れない業務だから、こうして残業だらけなのでしょう。そこで視点を変えてみましょう。
「一つだけするならどれか」を考えてみてはどうでしょうか。一般的な教師は仕事をする時間が足りないのです。もちろん、これは定時で帰ることが前提です。残業をいくらでもして良いのであれば、こんなことで悩む必要はありません。しかし、そのような働き方はこれからの時代にマッチしません。
遅々として進まない働き方改革を待ち続けるようなことをせず、「個人レベルでの」働き方改革を進めていかないと、教師という職業はどんどん衰退していってしまうでしょう。
「一つだけするなら…」に話を戻します。ここで選ぶべき業務の基準は、「他の先生にも関係のある仕事かどうか」です。
例えば、学年便りの作成や、校務分掌上の文書作成などです。これは組織で動いている以上、外せない仕事です。組織の動きを最優先に行動していれば、自分が困った時にも気持ちよく助けてもらえます。これは処世術でもあります。
さて、「一つだけするなら…」で残ったものは「他の先生にも関係のある仕事」になったはずです。
これを終わらせた上で授業準備や教材研究をすることになるのだから、この仕事の本分は一体何なのだと愕然としてしまいますが、やはりそれは仕方がないこと。この「他の先生にも関係のある仕事」を効率よく終わらせて、我々の本分である授業準備や教材研究をしようではありませんか。
ここまで読んで気が付いた方も多いと思いますが、我々の仕事のスケジュール管理というのは他業種に比べて簡単にも思えます。一日にできる仕事は一つ。それができない日もあります。つまり、スケジュール管理として、その「一つ」をしっかりと対処していくことになります。