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一年の図画工作|画用紙を使った「立体・鑑賞」の授業づくり

2020/2/12

一年生の自由な発想を生かす図工の授業を実践している西村先生に、指導アイディアと評価のポイントをお伺いしました。今回は、一年生の「立体・鑑賞」2時間授業の例です。安全面から教師がサポートする部分も参考にしてください。

執筆/東京学芸大学准教授・西村德行

授業風景

くみあわせたら、おもいついたよ!
~切りこみを入れた紙を使った立体表現~

同じ材料でも、条件を変えることで子供たちの活動の幅が広がります。ここでは、「画用紙」を例にお話します。

題材の目標

紙を組み合わせた形から表したいものを思い付いたり、つくりながら新しい形を考えたりすることができる。

材料や用具

《子供》はさみ、クレヨン、カラーペンなど
《教師》画用紙(カードサイズに切ったものと、八切画用紙)

板書例

子供の活動と指導上の留意点

①切りこみを入れたカードでいろいろと試す(20分)

導入では、カードサイズに切った画用紙を用意し、一人に数枚配りました。いつもと違うサイズの画用紙というだけで、子供たちの活動への関心が高まります。そこで、はさみを用意し、1枚の紙に「切りこみ」を入れました。「切りこみを入れた紙で、どんなことができるかな?」と、子供たちに投げかけると、「組み合わせて高いビルをつくる」「折って、立つ人形をつくる」など、様々なアイディアが出てきました。早速、活動を始めることにしました。

切り込みを入れたカードで試す子供たち

子供たちはカードサイズの画用紙を切り、組み合わせたり立たせたりしながら、思い付いたことを次々に表していきます。全員が活動を始めたことを確かめたところで、「今日は、大きな画用紙もあるよ」と八切画用紙を紹介し、活動を進めることにしました。

組み立てている子供たち

②組み合わせて、思い付いたことを表す(45分)

大きな画用紙(八切画用紙)は、自分で適当な大きさに切ってよいことを伝え、活動を始めました。子供たちは大きな紙と小さな紙を組み合わせながら、発想を広げていきます。そして思い付いたことが形になるよう、画用紙の大きさや形、切りこみの長さなどを工夫しながら表していきます。本題材では描画材として、クレヨンとカラーペンを使うことにしました。

なお、「穴を空けてほしい」という子供には、安全面を考え、教師がカッターで空けることにしました。

自由に絵を描き丸くくり抜いている

③お互いに思い付いたことを鑑賞する(25分)

授業のまとめでは、お互いにつくったものを相互鑑賞する時間をもちました。授業の入り口は同じであっても、画用紙に切りこみを入れ、組み合わせるなかで、それぞれの思いはどんどん広がり、多様な表現が生まれます。この授業で大切なことは、つくりながら考えたその過程です。「最初はどんなことを思い付いたのかな?」そんな投げかけをすると、子供たちはできあがった作品を示しながら、その過程を話してくれます。授業の最後に、数名のグループをつくり、お互いに話し合う時間をもつことにしました。

作品鑑賞

指導のポイント

図画工作科の授業では、造形活動を通して子供たちの資質・能力を培います。つくったりみたりしながら、想像力や表現力を発揮するのです。図画工作科の授業に「材料」は欠かせません。子供たちが想像力や表現力を十分に発揮するためにも、豊富な材料を準備したいものです。

しかし、材料が多ければいいかというと、そうではありません。育てたい資質・能力によって、材料の工夫が必要です。限られた材料でも、教師のちょっとした「工夫」で多様な授業を展開することができます。例えば1枚の「画用紙」でも「穴を空ける」「細長くする」と少し形を変えるだけで、子供たちの活動は変わってきます。活動の形態や使える用具を変えることでも、そこで行われる造形活動は多様なものとなります。授業で培いたい資質・能力を明確にしながら、それに適した造形活動が展開されるよう、授業づくりの工夫をしたいものです。

『小一教育技術』2019年1月号より

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