だるま回りってどうしたらできるようになるの? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #54】

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小学校教諭

平川 譲
使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業

ふとんほしブランコの振りが大きくなると、1回転する子どもが出てきます。これが「だるま回り」です。授業では、「今日からだるま回りをするよ」ではなく、クラスの中で1回転できる子どもが出てきたときに、みんなが1回転できると楽しそうだね」と無理のないように学習を進めるとよいでしょう。
では、だるま回りは、どのようにしたら、全員ができるようになるのでしょうか。

執筆/千葉県公立小学校教諭・渡邊知子
監修/筑波大学附属小学校教諭
 体育授業研鑽会代表
 筑波学校体育研究会理事・平川譲

1 だるま回り

だるま回りは、ふとんほしブランコの振動を大きくし、頭が上に上がっているとき(①)に膝を伸ばして、頭が真下を通過したら(⑤)膝をぎゅっと曲げ始めます。頭が鉄棒を越えるころ(⑧)に、膝をしっかり曲げ続けると、頭が鉄棒の真上を越えて1回転することができます。

図表1

大きな振動でふとんほしブランコができるようになっているときは、安全確保のために、以下のような合言葉をもとに、仲間の運動開始時の姿勢について確認しましょう(ブラッシュアップ体育授業#53参照)。

図表2

慣れてくると鉄棒に肘を押し当てたまま、鉄棒から下りようとする子どもが出てきますが、ふとんほしブランコと同じように、鉄棒を握って前回り下りをするよう指導しましょう。

図表3

2 仲間のお手伝いで回る

ふとんほしブランコの振動が大きくなっても1回転できない子どもは一定数います。膝を曲げ伸ばしするタイミングが少しずれていることが主な原因です。しかし、頭が鉄棒と同じ高さになるくらいまで振れるようになっている場合は、仲間同士のお手伝いで1回転する感覚をつかみ、1人で回れるようになることがよくあります。

⑴ お手伝いの方法・約束

図表4

⑵ お手伝いの人数を自分で決める

はじめは、ふとんほしブランコを行う子どもが安心して回転したり、お手伝いをする子どもの経験値を上げたりするためにも、2人にお手伝いをしてもらいましょう。お手伝いをしている仲間が、持ち上げるときに軽く感じたり、回転している子ども自身がお手伝いの子どもを減らしてもできそうだと感じたりしたら、お手伝いを1人に減らしてもよいでしょう。お手伝いを1人にして、「自分だけでも回れそう」と感じたらぜひ挑戦させましょう。挑戦して回れないときは、再度、手伝ってもらって1回転する感覚を高めていけばよいのです。

だるま回りで1回転できたときの達成感を全員が味わうことができるように、焦らずじっくりと取り組んでください。1回転できるようになると、連続で回りたくなる子どもが出てきます。連続だるま回りについては、次回紹介します。

【参考文献】
木下光正(2008)『〈小学校体育〉写真でわかる運動と指導のポイント 鉄棒』大修館書店

イラスト/佐藤雅枝

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渡邊知子教諭

執筆
渡邊知子
千葉県公立小学校 教諭
兵庫県神戸市生まれ。校内で使える6か年体育科プランを作成し、だれでも簡単・手軽で「動ける体つくり」ができる授業づくりに取り組んでいます。体育を専門としない先生方も対象とした自主研修を地域や校内で実践中。「『資質・能力』を育成する体育科授業モデル」(共著)(学事出版)


平川譲教諭

監修
平川譲
筑波大学附属小学校 教諭
体育授業研鑽会 代表
筑波学校体育研究会 理事
1966年千葉県南房総市生まれ。楽しく力がつく、簡単・手軽な体育授業を研究。日本中の教師が簡単・手軽で成果が上がる授業を実践して、日本中の子どもが基礎的な運動技能を獲得して運動好きになるように研究を継続中。『体育授業に大切な3つの力』(東洋館出版社)等、著書多数。


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