小5家庭科「ごはんとみそ汁」思考力と実践力を育む調理実習

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調理実習は知識や技能を習得するだけでなく、思考力を高め、実践する力も育める学習です。今回紹介するのは、日本の伝統食である「ごはんとみそ汁」についての学習。調理の仕方を習得するだけでなく、ごはんやみそ汁の秘密について詳しく学び、調理時の工夫についても考えさせる内容になっています。

※活動を実施する際は、新型コロナウイルス感染症に関する各自治体の対応方針を踏まえ、子供の安全確保に対して十分に配慮してください。
(写真はコロナ禍以前のものです)

執筆/聖徳大学講師・佐藤雅子
監修/文部科学省教科調査官・丸山早苗
協力/千葉県成田市立公津の杜小学校

小5家庭科「ごはんとみそ汁」

1 時間目 ご飯の秘密を探ろう

米(A)、炊きたての米飯(B)を中が見えないようにして提示します。子供たちに、「視覚を使わず、においで観察してみよう」と投げかけます。子供たちは、「『炊く』とにおいが変わる!」ことに驚き、「炊く」調理への意欲を高めていきます。

アルミホイルを被せて、中身を見えなくした米(A)と米飯(B)
米(A)と米飯(B)の香りを比べる子供たち

4 時間目 みそ汁の秘密を探ろう

湯にみそを溶いたもの(A)と、煮干しでとっただし汁(B)を試飲し、それぞれの「色」「香り」「味」の違いを感じさせます。この時、AやBの正体は伝えません。その後、AとBを合わせて味わってみます。  

試飲用の液
A 200㎖の水に対して、みそ8g程度。みそ汁よりも、薄い塩分濃度にする。
B 200㎖の水に対して、煮干し5g程度。AとBを合わせる時は、Aの液を多めにする。

試飲用の液を作る子供たち

ここでは、みそ汁にだしを使うことで風味が増すことを実感できます。なお、口に入れることに抵抗がある子供がいた場合は、無理には勧めません。

試飲用の液AとBの香りや味を確かめる子供たち

子供が関心をもって味わいたくなるよう、「どんな味がすると思う?」「どう変わるかな」と投げかけます。その後、Bの正体が煮干しでとっただしであることを伝えます。

次に、煮干しのどの部分をだしで使用するかについて、子供たちに予想させます。頭、はらわた、胴体に分解し、これらを味わわせて観察させると、「はらわたが苦くて、みそ汁の味には合わない」ことを子供たち自ら発見していきます。

煮干しを頭、はらわた、身に分解した図
煮干しを分解する子供たち

5 時間目 みその秘密を探ろう

みそや家庭の食文化への関心がもてるようにします。可能ならば、みそになる前の大豆も見せます。生の大豆とゆでた大豆の違いを提示し 「大豆からみそへの変身」を知ることで、子供たちは関心を高めていきます。

生の大豆、ゆでた大豆、みそ2種類
2種類のみそと大豆(左)、生の大豆(右)

原料が「米、大豆、塩」のみそを2種類用意し観察します。原料が同じでも「香り」「色」「味」が違うことから、「自分の家では、どんなみそを使っているんだろう?」と家庭の食への関心を高めていきます。  

生の大豆、ゆでた大豆、みそ2種類の違いについて調べるワークシート
生の大豆、ゆでた大豆、みそ2種類の違いについて調べるワークシート 
※クリックすると別ウィンドウで開きます。

米飯とみそ汁の調理の実習も、子供たち一人一人の意思決定を尊重できるようにできるだけ少人数で行います。この時も、手順を「教える」のではなく、 「どのような手順で調理するか」ということを子供たちに考えさせます。

一例を示します。「一つのコンロで、ご飯とみそ汁を温かく同時に仕上げるにはどうしたらよいだろうか?」と問います。

1つのコンロで、鍋を2つ使う方法を試している様子
2つの料理を同時に温かく仕上げるには‥‥? 思考している例。

その問いに対し、「炊飯でコンロを使わない(蒸らす)時間でみそ汁の加熱調理を行う」ことに子供たちが気付くことで、手際よく調理を進めるための思考力が育まれます。

構成/浅原孝子

『教育技術小五小六』2020年9月号より

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